出版社内容情報
▼これは物理現象としての、人類の物語。
▼「人間とは何か」「我々はどこから来てどこに行くのか」__こうした問いに対し、本書は「人間は物理現象である」という立場から論を展開していく。人間の存在は、物理法則を超越した奇跡ではない。しかし、今ここに知性と意識を有する人間として生きていることは、無数の偶然が重なり合った結果として実現された、奇跡的な出来事なのである。
生命・知性・意識の3つの面から奇跡的な物理現象としての人類を語る、迫真のサイエンス読本。
内容説明
これは物理現象としての、人類の物語。
目次
第1部 宇宙の中の人間(宇宙と原子と人間と;分子が生み出す生命;宇宙の息吹)
第2部 知性に至る進化(知性は進化の必然か;人間的思考の限界;人類を補完するもの)
第3部 意識とは何か(意識をもたらすもの;場の量子論とリアリティ;心と物)
著者等紹介
吉田伸夫[ヨシダノブオ]
1956年、三重県生まれ。東京大学理学部物理学科卒業、同大学院博士課程修了。理学博士。専攻は素粒子論(量子色力学)。科学哲学や科学史をはじめ幅広い分野で研究を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やいっち
77
「「人間は物理現象である」という立場から論を展開していく。人間の存在は,物理法則を超越した奇跡ではない。(中略)生命・知性・意識の3つの面から奇跡的な物理現象としての人類を語る,迫真のサイエンス読本」という本。2023/07/21
to boy
15
宇宙開闢から生命の発生、人類の誕生までを現代物理学で読み解くとどうなるのかという異色の内容。あとがきで著者も述べているように向こう見ずな試みでありますが、こういう内容は好感が持てます。素粒子物理学者の立場から化学、生物学、哲学、地学などの他領域の学問にまで思いをはせて人類がなぜここまで進化したのかを考察。意識の発生を場の量子論を駆使して説明していて面白かった。ちょっと難しい部分もあるけれどなるほどそうなのかと思えるところも多くためになりました、2023/04/15
チェリ
12
宇宙とは、原子とは、時間とは、生物とは、意識とは何か。それを1冊の本で語っているので、もはや単なる自然科学の本ではなく、哲学書や聖書と融合した本になっている。内容としては、場の量子論、リベットの実験、意識が小脳には生まれず大脳で生まれる原理についてなど、他の本で学んでいたことも多かったので、比較的すんなり理解できた。ユニークな点は、場の量子論のうまく使って、モノとコトの区別を撤廃することで、意識を説明したところだろう。千葉氏やガブリエルの様に哲学者も量子論を勉強しており、著者はその逆の立場を担っている。2023/07/29
Yasutaka Nishimoto
4
専門家向けではないんだろうけど、大卒理系専門外だと、あまり意味がわからないページが続く。後半はそこまで分からなくはないけど、前半書いてあったことが、少しだけ分かるようになる。ビッグバン前にもなにかあったし、太陽系はあと20億年ぐらいしか持たないけど、宇宙はまだ何兆年も(ホント?)持つらしい。子どもの頃からなんとなく感じていた、宇宙人はいるだろうけど、会えないんだということに、ようやく納得できました。2024/05/26
やす
1
人類が登場した理由を物理学的に考察した一冊。言いたいことはわかるけど端折りすぎててちょっと物足りなかった。2025/01/12