出版社内容情報
本書は、熱マネジメントの実務書です。知能化や電子化が進む中、車載電子製品の品質と効率を確保するために、開発設計において必須の技術である熱マネジメントについて体系的にまとめました。元デンソー熱設計の第一人者が分かりやすく解説しました。主に車載電子機器の事例に基づいて解説していますが、自動車分野に限らず熱マネジメントの本質を押さえることができます。
本書は、基礎編、実務編、将来編の3部構成となっています。
第1部の基礎編では、熱力学および伝熱工学の内容を含めて熱エネルギーの利用の基本を、熱サイクルの視点で捉えます。快適生活を実現する熱移動と、制御(冷凍サイクルとヒートポンプ)についての基礎知識を解説します。加えて、放熱・熱分離・耐熱設計の基礎について解説します。
具体的には、第1章で熱の正体を理解し、続く第2章では、その熱利用のための基礎知識の整理を行っています。
第3章では、引き続き理論に基づき、どのように熱エネルギーを利用するかという考え方を説明しています。そして、第4章では、様々なエネルギーが最終的に熱エネルギーになる場合、そのエネルギーは損失として対象物の温度上昇という現象になるので、対象物の温度上昇を抑制する手法を理解するための熱の伝わり方を説明しています。
第2部の実務編では、一般電子製品からインバーターまでの各種製品を事例に、熱設計の考え方と信頼性設計のバランスの重要性について触れます。もちろん、そこに使われる放熱材料を中心とした各種熱対策材料についても解説します。
具体的には、第1章において空調と駆動、製品の熱制御を1つの熱制御システムとしてどのように考えるかについて簡単に整理しています。続く第2章では、一般的な車載電子製品の熱設計の基礎知識を整理しています。
第3章では、第2章での考え方を基に、センサー製品と制御製品〔電子制御ユニット(ECU)〕、アクチュエーター製品のそれぞれについて、固有の熱設計について事例を基に解説しています。そして、第4章では、その中でも、アクチュエーター製品として様々なインバーターを取り上げ、その設計思想と熱設計の考え方を解説しています。第5章では、車載電子製品に使用する熱対策用材料に求められる特性をまとめました。そして、実務編の最後となる第6章では、第4章で取り上げた各種インバーターの構造を理解しやすいように分解構造を紹介し、そのポイントを解説しました。
第3部の将来編では、第1章で今一度、熱エネルギーを含めた様々なエネルギーの性質を整理し、利用するためのヒントをまとめました。そして、最後に第2章として、車両の電動化における必須部品であるインバーターの製品動向を車両プラットフォーム設計の視点も取り入れて整理しています。
日経BPの技術系「教科書シリーズ」の18冊目です。事例内容の充実を図り、図版を大きく掲載した「プレミアム教科書」に仕上げました。
【目次】
第1部 基礎編
第1章 熱を理解する
1.1 熱とは
1.2 熱と人との関わり
1.3 熱の単位
1.3.1 温度
1.3.2 熱量
1.3.3 比熱
1.3.4 圧力
1.3.5 SI単位系
第2章 熱を(動力)利用する
2.1 カルノーサイクル
2.2 理想気体の状態変化
2.3 カルノーサイクルをエントロピーで理解する
2.4 ガソリンエンジンと熱(オットー)サイクル
2.5 ディーゼルエンジンと熱(ディーゼル)サイクル
2.6 サバテサイクル
第3章 熱を制御する
3.1 蒸気の状態変化
3.1.1 相変化
3.1.2 飽和状態
3.2 冷凍サイクル
3.3 カルノーサイクルを再び考える
3.4 ヒートポンプ
第4章 熱の伝わり方を理解する
4.1 熱伝導
4.2 積層板の熱伝導
4.3 対流熱伝達
4.4 熱放射
4.5 相変化を伴う熱伝達
4.6 熱抵抗
4.6.1 広がりの熱抵抗
4.6.2 接触熱抵抗
第2部 実務編
第1章 自動車の熱マネジメント
1.1 自動車における熱マネジメントの考え方
1.2 冷却技術と冷凍サイクル
1.2.1 空冷方式
1.2.2 液冷方式
1.2.3 自動車の冷凍サイクル
第2章 車載電子製品の放熱・熱設計技術
2.1 自動車の電子制御化と電子プラットフォーム設計
2.2 電子制御システムの概要と熱設計の関係
2.3 放熱・熱マネジメント設計の重要性
2.4 基本的な放熱・熱設計の考え方
第3章 各製品分野の熱設計
3.1 車載電子製品に使われる放熱手法
3.2 センサー製品における熱への配慮
3.3 制御製品(ECU)における放熱設計
3.3.1 セラミック配線板を使用した製品の熱設計
3.3.2 ガラスエポキシ配線板を使用した製品の熱設計
3.3.2.1 プリント回路板上の実装部品の放熱構造
3.3.2.2 プリント回路板における熱の伝わり方
3.3.2.3 製品全体で考える熱設計と他の要因
3.4 アクチュエーター製品における熱マネジメント
3.4.1 (事例)パワーウインドーコントローラーの熱設計
3.4.2 機電一体製品の熱設計で搭載から考えて配慮すべき点
3.5 パワーデバイスの実装構造と熱設計
3.5.1 信頼性の高いパワーデバイス放熱実装構造
3.5.2 従来の構造の長寿命化
3.5.3 樹脂封止パッケージ構造における高放熱化
第4章 車載インバーターの実装・熱設計事例
4.1 電動化の進展に伴うインバーター製品への要求
4.2 パワーモジュールの放



