出版社内容情報
自動車が自動車を越える
SDVが切り拓く新たな未来とは
ハードからソフトへ――。自動車の価値が今、大きく変わろうとしている。従来の自動車では、「走る・曲がる・止まる」の基本性能を実現するエンジンやトランスミッションなどのハードウェアが決め手だった。ところが、これからは自動運転の進化・普及に伴い、自動車という空間でどう過ごすかが重要となり、新たなUX(ユーザー体験)をもたらすソフトウェアが価値を決める。こうしたソフトウェアにより自動車の機能が更新されることを前提に設計・開発される自動車を「SDV(ソフトウェア定義車両)」と呼ぶ。
本書は、そんなSDVと真正面から向き合う。まずは、SDVを「ソフトウェアを基軸にモビリティの内と外をつなぎ、機能を更新し続けることで、ユーザーに新たな価値および体験を提供し続けるための基盤(エコシステム)」と定義し、産業面と技術面の様々な角度から分析。その中で、SDVは8つの「うれしさ」をもたらすとし、受益者としてユーザーだけではなく、自動車メーカー、さらには自動車業界以外の事業者を挙げる。
自動車、そして自動車を取り巻くエコシステムをガラリと変えるポテンシャルを持つSDVの世界観を、本書はあますことなく描き出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Go Extreme
1
ソフトウェア中心の次世代車SDV GX/DX軸での社会・産業・顧客変化 購入後も続くソフトウェア性能向上 データ利活用→ビジネス差別化 第三者参画促すエコシステム統合 E/Eアーキテクチャのゾーン化進化 OTAによる制御系含む機能更新 ハード・ソフト分離と開発最適化 AIによるソフトウェア開発効率化 ハードウェア抽象化するビークルOS 迅速データ活用支えるデータメッシュ アプリ課金・広告等による収益多角化 脆弱性監視のためのSBOM活用 複雑・高度・高速化する法規制対応 テック企業参入とエコシステム統合2025/04/30
Arata Fujimura
0
今自分が関わってる自動運転領域もSDVの一部だなと思い、読んでみた。 そんなに新しい気付きがあったわけではないけど、”2-7 SDVのソフトウェア開発に求められるアプローチ”や"3-4 自動運転とSDVの関係性"は、特に国際標準や法規制の観点で簡潔にまとまっていて、考えが整理できた。 自動運転関係では、そう簡単にはいかないよって思うことも多かったけど、目先のカイゼンばかりに気を取られがちな中で、将来的な理想像からバックキャスティングで考える良いきっかけになったとは思う。2025/04/29