出版社内容情報
約30年間にわたって低成長が続く日本。少子高齢化と人口減少が加速する中、もはや日本は成長できないと悲観する人も多い。
そんな悲観論を「決してそんなことはない」と否定するのが、本書の著者であるデロイト トーマツ グループだ。
鍵となるコンセプトは「価値循環」。あらゆるリソースを循環させ、日本で増える機会に着目することで需要を生み出すシナリオを新たに提示する。
「失われた30年」という言葉は、そろそろ終わりにしよう──。
世界に先駆けた「22世紀型」成長モデルに日本を導く1冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
momogaga
37
「失われた30年」という言葉は、そろそろ終わりにしよう。それには、新たな道すじが必要です。本書で語られる「価値循環」という考えは、至極まっとう成長戦略です。それを実行出来る日本は、再び世界のフロントランナーに成れることを確信させてくれます。道は必ず開かれる。2023/09/18
うえぽん
31
価値循環というコンセプトで、将来増加する要素にも目を向け、人口減少する日本でリソースの循環と市場が広がる機会を活かして、新たな需要を生み出し成長に結び付け、22世紀に向けた世界全体への指針を示した意欲作。環境エネルギー、モノづくり、ヘルスケア、観光、地域創生の5分野10テーマで成長シナリオを提示。地域創生分野では、地域特性を活かして国内外の関係人口との長期的な関係性を育んだ例と再エネの循環を起点に活用方法がないと思われてきた土地を利用して需要を生み出す例を紹介。将来悲観を覆す努力の必要性を強く認識できた。2024/07/14
奈良 楓
14
● 人口減少が進む日本をどのようにしていけばいいのか、という本。 ● いろいろ戦略の提言はありますが、もう一歩踏み込んでほしかったと思いました。 ● 観光の項目の、各観光地で繁忙時期のデータを共有してスタッフを融通し合うという考え方は手とても良いのでは、と思いました。 ● 空手ツーリズムはとても面白い取り組みと思いました。 ● 人口減少論ですが、移民の是非については踏み込まない。2023/07/24
TK39
4
循環型社会。モノ・データ・ヒト・カネをうまく回す仕組みを作ることで人口減・高齢社会でも経済成長を目指せる。特にデータについては、日本は豊富にあるが、それを統合・集約・分析・活用できていない。これを土jのように改善していくか?が課題。また、日本は世界で最も高齢化が進んだ社会、医療レベルも高い。日本で蓄積したノウハウを海外に持っていくことで他国にはないモデルを作れる。また、モノ・データの循環はリカーリングの新しいモデル転換に繋げることができる。誰が仕切るのか?が課題です。 2023/07/06
ゼロ投資大学
1
日本はこれから人口減少がずっと続いていく。国内需要を支えてきた人の数が減り、生産年齢人口も減っていく。バブル崩壊以降の失われた30年で成長できなかった日本が、人口減少社会で成長できるわけないと悲観に囚われているひともいるだろう。だが、これからの日本は人口減少社会を受け入れた上で、「価値循環」の考えを持つことが重要だ。すべてのリソースを"循環"させることで、付加価値を生み出し、それを増幅させる考えだ。「回転と蓄積」のメカニズムを用いて、1人当たりの付加価値を高めて成長しよう。2023/09/14