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出版社内容情報
NTTは日本の空洞化危機を防げるか
通信150年目の岐路
今や誰もがスマートフォンを持ち、インターネットを使う。ネットなしの生活など考えられないくらいだ。その隆盛を土台として支えてきた通信インフラが巨大IT企業や政治に揺さぶられている。
既に海底ケーブルはその多くがグーグルやアマゾンなどの巨大IT企業が敷設するようになった。これまでNTTなど通信事業者の牙城と思われてきた、電話のコアネットワークにもこれらの企業が進出しつつある。
一方で、ウクライナ戦争に端を発し、政治によるインターネットの分断も進む。5Gでも米中の分断が起こっている。これまでの開かれたネットの世界は夢幻になっていくのか。
こういった巨大ITや政治の力がネットを揺さぶる中で、日本はこれからどのようにしていくべきか。NTTは独自のIOWN構想でその存在感を示そうとする。
本書は、このような激変期を迎えた世界の通信に関する動きに、地政学という切り口でフォーカスを当てる。これらの動きから、来る2030年代の情報通信の世界を展望する。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nbhd
15
ざっくりまとめると、5G通信の覇権争いにおける日本の立ち位置ってどうなのよ?といった内容の本。海底ケーブル、クラウド、データ保護などのいくつかのトピックで、覇権争いのゴタゴタが首尾よく整理されている。印象に残ったのは「デス・バイ・アマゾン」という言葉だ。Kindleのような電子書籍が小売書店を駆逐したように、アマゾンによってビジネスの首根っこを掴まれているような事態を指す。サービスを寡占されたうえ、急な値上げされちゃったら、そりゃ困るよって話だ。2024/04/19
owlsoul
6
世界中をフラットにつなぐインターネット。しかし、それを運用するためのインフラには所有者がいる。これまで通信事業者の所有するインフラを利用して莫大な富を得ていたビッグテックだったが、近年は海底ケーブルなどへの投資をはじめ、その特異な技術を手中に収めつつあるという。そんなインフラ獲得競争は企業の枠を超えて国家間の争いとなり、今では民主主義国VS権威主義国といった様相を呈している。インターネット圏が分割され囲い込まれていく様は、世界大戦前夜のブロック経済を彷彿とさせる。人類は互いに「つながる」こともできないのか2024/07/27
人生ゴルディアス
3
インフラにただ乗りのIT企業と昔は揶揄されたが、ビッグテックはその資金力でネットインフラに十分大きな貢献をしている、というのが十年くらいの前の話。それがついに海底ケーブルも独占しつつあり……という話(まさに直近でグーグルの日本向けの新しい海底ケーブルがニュースになっていた)。通信を巡る争いの中で、小さめではあるものの日本もオープンLANや光トランジスタなどで巻き返しを図ろうとしているようだ。規制と罰金に終始してる欧州よりかは健全ではないのかな。2024/04/12
Masayuki Shimura
3
【米中の緊張感の高まりから、今後世界を流れるデータは、海底ケーブルから実質的に二分され、データの経済圏を分断していく可能性がある】(文中より引用)・・・・・静かに、それでいて急速に通信分野における地殻変動が起こっていることを痛感させられた一冊。特に副題にも表れている巨大IT企業による通信インフラへの参入の話は、今後の安全保障を考える上でも避けて通れないものなんじゃないかと思わざるを得ませんでした。2023/08/14
ますみ
3
L1(海底ケーブル)からL7(WEBコンテンツ)までそれぞれのレイヤーでの覇権争いや分断・囲い込みについて書かれてる。網羅的ではないけど読み物として面白かった。せっかく通信業界に来たんだし貢献できるところ見つけたいなとか思った。2023/02/03
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