出版社内容情報
本格ミステリの第一人者による久々のノンシリーズ長編は、青春小説ならぬ、著者初の“白秋”小説。そして、この作品はミステリなのか否か。
人生の曲がり角で、主人公が向かったのは――
還暦過ぎまでミステリ畑で名を馳せた敏腕編集者が、リタイアして南伊豆の海が望めるロッジに移り住む。そこは<得体が知れない小説>でのデビューに立ち合った覆面作家が、ある日忽然と消えた家。あれから9年……不可解な失踪の謎を解くのは、自分の使命――
【目次】
内容説明
還暦過ぎまでミステリ畑で名を馳せた敏腕編集者が、リタイアして南伊豆の海が望めるロッジに移り住む。そこは〈得体が知れない小説〉でのデビューに立ち合った覆面作家が、ある日忽然と消えた家。あれから9年…不可解な失踪の謎を解くのは、自分の使命―久々のノンシリーズ長編は、青春小説ならぬ、著者初の”白秋”小説!
著者等紹介
有栖川有栖[アリスガワアリス]
1959年大阪府生まれ。同志社大学法学部卒業。89年『月光ゲーム』でデビュー。2003年『マレー鉄道の謎』で日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)、08年『女王国の城』で本格ミステリ大賞、18年「火村英生」シリーズで吉川英治文庫賞、22年に日本ミステリー文学大賞を受賞。本格ミステリ作家クラブ初代会長。著作は多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
雪
47
これまで読んできた著者の本格ミステリーとは全く毛色が違う作品。とある作家が失踪し、担当編集者だった主人公がその失踪の謎を追う。ミステリーという形だけれど謎解きが主題ではなく、元編集者である滝原を通して著者本人の作家としての現在の心境に思いを馳せる作品という感じがした。著者の文章そのものが好きなので500頁超の分厚さでたっぷり味わえたのと、出版業界やミステリーに関する興味深い話がたくさん盛り込まれていて有栖川ファンとしては大いに楽しめたが、純粋にミステリーとして楽しみたい方は少し物足りなさを感じるかも。2026/11/01
オーウェン
47
これまでの有栖川作品とは一味違う中身。 定年退職したミステリ作品の編集者が選んだ定住の地は南伊豆の別荘。 そこでデビューに立ち会った作家が失踪していることが分かり、捜索を試みる。 これまでの有栖川ミステリなら死人が出たり、匿われていたりだとかの出来事が起きそうだが、この作品はひたすら編集者の方に焦点が当たり、進んでいるのかどうかも分からない捜索の旅が延々と描かれる。 後半すぎくらいで、ようやく探偵らしきものが協力して、行方が明かされるという不思議なタッチのミステリだった。2026/10/31
糸巻
32
有栖川有栖作品最新作はノンシリーズ長編。これはミステリなのか、そうでないのか曖昧なままページをめくり続ける。人生の白秋にある敏腕編集者が退職し、9年前に忽然と姿を消した作家の足跡を辿る物語…かな。ちょっと私も読んでいて掴みどころがなかったというか、主人公の編集者が探偵役となるのかと思いきやそうではないし。何か大きな事が起きるわけでもなく、まさかこのまま解決せずに終わるのかと、それはそれでアリなのか…?いやないだろう!と度々離脱しながら読み進めた。好みで言ったら私はいつもの本格ミステリが大好きです。2026/10/17
タカギ
22
とても好きな話でした。複数の登場人物の視点からなる。メインはリタイアしたばかりの敏腕編集者。9年前、彼が担当していた小説家が忽然と姿を消した。失踪か事故か事件か…それを調べようと、小説家が住んでいた家に引っ越す。後輩編集者、売れっ子作家、小説家の妹、幼なじみの探偵、小説家の近所の住人、小説を書いている少年など、気になる登場人物たちがたくさん。文庫担当の須賀君が気になった。有栖川先生も小さい時からミステリ以外も読んでいたんだろうな。書店に就職していたくらいだし。『砂の女』『瘋癲老人日記』あたりが気になった。2026/10/25
よるのもち
20
青春小説の対極にある白秋小説。大きな起伏がない物語なのに流れるように読めてしまうのが凄い。作家の「老い」を感じさせるような作品は寂しい気持ちになりがちですが、有栖川先生に限っていえば更に新たなステップを踏み出したような、充足感があります。面白かったです。2026/10/08




