空の地経学戦略―日本の経済安全保障と航空サプライチェーン

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空の地経学戦略―日本の経済安全保障と航空サプライチェーン

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  • サイズ 46判/ページ数 268p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784296125302
  • NDC分類 687
  • Cコード C0031

出版社内容情報

航空宇宙モビリティ研究の第一人者と、地経学の専門家がタッグを組み
「空」から地政学を論じる初めての本。

米中対立、中東情勢の緊迫とホルムズ海峡封鎖、ロシアのウクライナ侵攻、
台湾有事、サプライチェーン分断――
地政学リスクの時代に、日本の航空ネットワークをどう守るのか。
コロナ禍とウクライナ侵攻で一変した「空の国際秩序」を読み解き、
日本がとるべき未来戦略を示す。

「空を制する者は、世界を制す」――。
現代社会に不可欠な半導体とその製造装置、ノートPCやスマートフォン、
医薬品・ワクチンなど貴重な戦略物資は、どれも航空機で運ばれている。
そしていま、地政学リスクの高まりによって、空の覇権争いは激しさを増している。
本書は、世界の「空のつながり」を、複雑ネットワーク分析の手法を用いて可視化し、
地政学と経済安全保障を掛け合わせた「地経学」の視点から、アメリカ、中国、ヨーロッパ、ロシア、インド、中東、ASEAN、中南米諸国など主要各国の動向を解説する。

・ウクライナ侵攻の影響で、米・欧・日の航空機はロシア上空を迂回している一方、中国機は飛び続けており、中国企業がコスト競争で優位に立つ一因となっている。
・成田からデトロイトやロンドン、ミラノへの定期直行便は現在ない。世界各国から日本への「空の玄関口」は、羽田でも成田でもなく、韓国・仁川空港になっている
・台湾有事で台湾上空が飛べなくなっても、日本の航空ネットワークは維持できる。だがもし、朝鮮半島有事が同時発生した場合は……

「陸」と「海」が中心だった防衛・安全保障の議論に新たな視座を導入し、
政策決定者、企業経営層から注目される最新研究を書籍化。
航空機・航空管制の発達の歴史や、知られざる航空輸送システムの全貌も解説する。


【目次】

プロローグ

第1章 空の地経学とは――空の覇権が経済を動かす
エアパワーから見る日本の防衛・安全保障
 空の力関係が映す「世界の力学」
 台湾有事の可能性――グレーゾーン事態の現実性
 武器化する経済――経済の相互依存と安全保障リスク
航空輸送と経済安全保障
 「日本の盾」は何か
 航空輸送が止まれば、世界の生産が止まる
 空の情報網を可視化する――チョルノービリ事故の教訓
 安全より「効率」が優先されるリスク――スペースシャトル爆発事故の教訓
 見えない戦争――GPSを開放した大韓航空機撃墜事件の教訓
 地経学の時代に、航空輸送はどうあるべきか――トマホーク巡航ミサイルの事例

第2章 知られざる空の舞台裏――航空輸送システムの全貌
航空輸送の成り立ち
 エアメールが開いた空の道
 空の交通整理の始まり
 航空管制官の誕生
 航空輸送における政府機関の介入
 航空輸送の基盤システム
 航空交通量の需給コントロールへ
空の交通整理と空港のキャパシティ
 空域とは何か
 空にも道がある
 空港はどのように運用するのか
変わる航空運用――気候変動と国際情勢の影響
2大拠点、羽田と成田の空港運用
滑走路が制限する空港のキャパシティ
外交交渉も絡む国際空港の「スロット」配分
航空機はどのように飛ばすのか
 コックピットから見る景色と計器の指針
 航空機のナビゲーション
 出発から到着までの世界規模システム
 紛争や災害から航空機を守る情報連携
「空の安全」が脅かされるとどうなるのか
 なぜいま、「空の安全」が問われているのか
 「空の地経学リスク」に備えてサプライチェーンの強靭化を急げ

第3章 「空のネットワーク」を読み解く――米・中・日の戦略構造
2019年から2023年にかけて何があったのか
 激変する「空のネットワーク」
 日本の航空ネットワークは、有事に耐えられるのか?
COVID-19パンデミック――世界の機能が止まった
ロシア・ウクライナ戦争――世界秩序の亀裂が、空のネットワークを変えた
イスラエル・パレスチナ戦争――「中東の火薬庫」が再び動き出した
グローバスサウスの経済成長――インドが示す「非同盟経済」の可能性
航空ネットワークから見る国際構造の変化
 見えざる「空の動脈」を可視化する
 航空ネットワーク分析の手法
 世界の再編と米国の強靭さ
 中国の国家戦略――空のネットワークから見る「内向きの強靭化」
 戦略なき日本の空
台湾有事の空をシミュレーションする
 日本のサプライチェーンはどうなるのか
 分断される空

第4章 多極化する空の秩序
再編される空の中核――欧州・中東・ASEAN

内容説明

台湾有事が現実になったとき、日本経済を支える航空輸送ネットワークを守る手段とは?「空」から地政学を論じる初めての本。コロナ禍とウクライナ侵攻で一変した「空をめぐる覇権争い」を読み解く。

目次

第1章 空の地政学とは―空の覇権が経済を動かす(エアパワーから見る日本の防衛・安全保障;航空輸送と経済安全保障)
第2章 知られざる空の舞台裏―航空輸送システムの全貌(航空輸送の成り立ち;空の交通整理と空港のキャパシティ;航空機はどのように飛ばすのか;「空の安全」が脅かされるとどうなるのか)
第3章 「空のネットワーク」を読み解く―米・中・日の戦略構造(2019年から2023年にかけて何があったのか;航空ネットワークから見る国際構造の変化;台湾有事をシミュレーションする)
第4章 多極化する空の秩序(再編される空の中核―欧州・中東・ASEAN;浮上する新たな国々―航空ネットワークの新地図)
第5章 航空サプライチェーンを強靱化する国家・企業戦略(日本の航空サプライチェーンの課題は何か;航空力で日本を強くする―経済と国家安全保障の未来図)
資料編

著者等紹介

伊藤恵理[イトウエリ]
東京大学 先端科学技術研究センター 教授。1980年京都府生まれ。東京大学大学院博士課程修了(航空宇宙工学専攻)。ユーロコントロール、オランダ航空宇宙研究所、NASAエイムズ研究所、電子航法研究所、南洋理工大学(シンガポール)等での研究歴を経て、2022年東京大学教授、2023年より現職。航空宇宙モビリティ研究の第一人者として、国連の国際民間航空機関(ICAO)にて国際規格を策定するほか、国内外の政府機関で国際基準や施策策定に携わる

鈴木均[スズキヒトシ]
国際文化会館 地経学研究所 主任研究員。1974年埼玉県生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程単位取得退学。European University Institute歴史文明学科修了、Ph.D.(History and Civilization)。新潟県立大学、同大学院、外務省等を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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パトラッシュ

127
日本最大の貿易港は横浜でも神戸でもなく成田空港だった。台湾有事で航空輸送が停止したら全ての工業生産がストップし、日本の産業は壊滅的打撃を受けるという。それほど空路の安全確保は国家の生命線に等しく、経済安全保障の要である事実をほとんどの人は知らない。しかも海外に比べ地経学に疎い日本は、空港強化や航空サプライチェーンの強化に後れを取っている現実を明らかにする。ウクライナやイランのような事態が続く今日、平和を訴えるだけでは国を守れない冷徹な国際政治を政治家も国民も認識し、戦略的な生き残り策を模索せねばならない。2026/08/13

金吾庄左ェ門

9
軍事的な意味だけではなく旅客・貨物輸送の手段としての空の重要性を唱えているのですが、空は広いようで複雑なものであると痛感させられました。空には多数の飛行機が飛んでいますが、それを滞りなく管制する事が平和な時代でも大変なのにいざ有事となればと考えるだけで頭が痛くなりそうです。また日本は国産飛行機はできなくても、その部品は生産できるので世界では重要な地位を占めており、それを強みにするために貨客一体の空港運用が求められるとしています。2026/07/01

chuji

5
久喜市立中央図書館の本。2026年6月初版。書き下ろし。『空を制する者は、世界を制す』。地経学(geo-economics)とは、経済や資源の時間的、空間的、政治的側面の研究をする学問。地政学は聞いたことがあったけど、地経学は知りませんでした。2026/07/24

Haruki Nagasaki

2
日経新聞の書籍コーナーで見つけて手に取った1冊。 改めて、航空産業が国力と結びつきのある分野だと認識しました。ヒトやモノを海を越えて運ぶ手段の1つであり、これを制するということは経済的な強さを持つことなのだと思います。最近は、トルコ・イスタンブールの空港が盛況というニュースを目にしました。やはり、地理的な優位性を活かすことがポイントなのだと思います。2026/09/06

Ryo Sogawa

2
空路のネットワーク分析から国際関係を論じた本。2026/08/26

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