出版社内容情報
中小企業の事業再生マニュアル。
事業再生に向けたプロセスから再生計画の作り方、金融機関による支援まで、１冊でまるごとわかる！
◆増えはじめたゾンビと倒産
本業の利益や配当金で借入金の支払利息をまかなえず、金融機関の融資条件の変更や政府による資金繰り支援などで延命している「ゾンビ企業」が増加しています。帝国データバンクの調査によると、2022年度は前年度比３割増の約25万社にのぼり、2011年以来の高い水準になりました。ゾンビ企業率は17.1%で、日本企業全体の実に６社に１社が「ゾンビ化」しているといわれています。
なぜこのような状態に陥ったのか――。背景には新型コロナ対策として政府が打ち出した実質無利子・無担保融資のいわゆる「ゼロゼロ融資」があります。245万件、43兆円にまで膨らんだゼロゼロ融資は、コロナ禍で傷ついた多くの中小企業の資金繰りを支え、失業者を抑制した一方で、本来は融資を受けられないような企業も救済しゾンビ化を加速させました。融資の返済が始まった2022年からは、ゾンビ企業と並んで倒産企業も増えており、今後２つの副作用がさらに拡大していくことが懸念されます。岐路に立つ中小企業とそれを支える金融機関は、新たな選択を迫られています。
◆事業再生に必要な知識が１冊に
本書は中小企業の事業再生の入門書です。資金繰りや事業の継続に悩む中小企業経営者に向けて、事業再生のための基礎知識を紹介する。事業再生の意義、私的整理の手続き方法、再生計画の作り方、金融機関の支援など、事業の将来性や資金繰りに不安を抱える中小企業が取るべき具体的な方策を解説します。成長を後押しする様々な支援も詳述します。
