成田の乱―戸村一作の13年戦争

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成田の乱―戸村一作の13年戦争

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  • サイズ 46判/ページ数 352p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784296121816
  • NDC分類 687.9
  • Cコード C0031

出版社内容情報

 配慮なき意思決定により泥沼の抗争と化した成田空港開港。農民、過激派が一体となって権力に挑んだ「成田闘争とはいったい何だったのか」。本書の主人公ともいえる反対運動の先頭の立った戸村一作(反対同盟委員長)は敬虔なクリスチャンであったが、ある日、豹変したかのように過激セクトと手を結び、流血の惨事を繰り返す反対運動の先頭に立つようになった。何が彼を変え、呉越同舟であった過激派各派がまとまることができたのか。

「成田闘争」は、クリスチャン・戸村一作を闘争のシンボルとして担いで闘争に参加した農民たちと、農民たちへの支援に集結した中核派をはじめとする過激各派の、日本政府に対する「成田の乱」だったのではないか。日本政府、空港公団は新空港の建設を”大義の御旗“として、反対派農民の意向を無視し、空港建設を推し進めた。成田闘争は若きクリスチャン・天草四郎を担いで徳川幕府に抵抗した「島原の乱」に通じる戦後最大の反乱ともいえる。

 本書は、佐藤内閣の杜撰な意思決定から暫定開港、反対同盟分裂に至るまでの軌跡を豊富なエピソードに基づいて活写するドキュメント。一枚岩ではない当局の思惑、反乱者たちの内紛、裏切り、公団側の分裂工作、相次ぐ衝突による犠牲、対話への道など、波乱万丈の物語である。

 筆者は1966年から78年の暫定開港まで12年以上にわたって成田空港問題を取材し続けてきた唯一のジャーナリスト。紛争現場で負傷し、学生の死を目の当たりにするなどまさに現場ですべてを見てきた記者で、現役生活の大半を成田取材に費やしている。

内容説明

知られざる成田闘争の軌跡。「成田闘争」は、クリスチャン・戸村一作を闘争のシンボルとして担いで闘争に参加した農民たちと、農民たちへの支援に集結した中核派をはじめとする過激派各派の、日本政府に対する「反乱」だったのではないか。21世紀に入っても終焉しない成田闘争を取材し続けてきたジャーナリストによる「戦後最大の反乱」のルポルタージュ。

目次

序章 成田 終わらない「戦後最大の反乱」
第1章 傲慢 誇りと怒り、分断
第2章 開戦 空港公団対反対同盟
第3章 覚醒 共産党との決別と反対同盟の過激化
第4章 直訴 御料牧場の閉鎖と百日調査
第5章 激突 強制代執行“春の陣”
第6章 犠牲 強制代執行“秋の陣”
第7章 裏切 燃料輸送問題と公団の逆襲
第8章 撤去 火炎瓶対ガス銃
第9章 奇襲 狙われた“心臓”
第10章 開港 戸村一作の死
終章 未着 共生への途を求めて

著者等紹介

牧久[マキヒサシ]
ジャーナリスト。1941年(昭和16年)、大分県生まれ。64年(昭和39年)日本経済新聞社入社、東京本社編集局社会部に所属。サイゴン・シンガポール特派員、89年(平成元年)、東京・社会部長。その後、代表取締役副社長、テレビ大阪会長などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

97
私は、元々、戸村一作さんに共感的でない。新空港建設における政府・公団の不誠実さに抵抗する地元農民の思いは十分に理解するが、戸村さんが武力闘争を選択したこと、就中、三派全学連と共闘した暴力闘争に導いたことに批判的である。キリスト者であることが戸村さんの行動の原点というのが本書の主張だが、私は賛成しない。戸村さんを、「三里塚にゴルゴタの丘を見た」と言い、反対運動から離脱した同志を「キリストを裏切ったユダ」と呼ぶような薄っぺらい信仰者だと思いたくないし、何より、聖書が暴力主義を導いたかのような理解は心外である。2025/05/01

hideto

5
「成田空港」開港に伴い、多くの紆余曲折があったのは知っていましたが、詳しいことは知らず。そんな過去を知りたくて手に取ったのがこの本です。成田空港の開港地として選ばれた場所に住んでいた戸村一作。クリスチャンだった彼が、反対同盟の委員長となり、闘争を続けていく姿が描かれていますが、まさかこんな壮絶なものだったとは、に尽きます。しかも、今もなお解決してないことに驚き。もし別の場所ならば、戸村一作が闘争に加わらず、穏便に開港できていたのでは?とつい歴史のifも思ってしまいました。2025/03/09

トト

4
1966年から始まった三里塚闘争を書いたルポルタージュ。所謂成田闘争とも呼ばれる、成田新空港建設に於ける農地買収に反対する農民側と政府側との争いなのだが、左翼の学生の支援と機動隊の投入もあり、多数の死傷者が出た大事件。開港を急ぐあまり段取りに問題があったとは思うが、買取価格が相場の数倍、その他オプション付きという好条件、現在ならここまで揉めるとは思えない。やはり当時の時代背景と当事者の土地に対する思い、権力に対する反感等絡んだ結果か。令和の今も2.9haの未買収地があり、闘争が密かに続けられている。2025/06/13

K.C.

4
書評で手に取った一冊。主人公を縦軸に、成田空港闘争を描く。主人公や戦後に新しい農地を求め三里塚に移住した人たちが抵抗するのはよく理解できる。それに対して、なぜ過激派・極左勢力が加勢したか。左派と呼ばれる現在の国政政党2つはなぜ手をひいたか。そして、離脱する人にはユダと呼んで手厳しいのはなぜか。ここに、日本でそれほど左派・リベラルが伸びない根源がありそうな気がする。とはいえ、今や右派も内ゲバの時代になりつつあるが。2025/04/16

nikaikaracoffee

1
513冊目 成田空港の歴史はあまり知らず、三里塚闘争という単語と揉めたくらいの認識だったが、こんな事が起きていたとは。読んだ率直の感想としては「何でこんなことになってしまったのか」ということ。土地収容のやり方が強引だったことはもちろん悪が、学生の活動家たちにを取り入れて反対派の手段と目的があやふやになっていく過程は、現代の戦争や暴動の発生の過程にも共通するのではないか。戸村一作亡き後に反対派が分裂し最終的に数戸だけが現在も反対しているという状態も、挙げた手を下げるタイミングを窺っていたような印象を受ける。2025/04/20

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