出版社内容情報
「なんで経営してないのに、経営のことがわかるんですか?」
経営学者が最もよく聞かれる質問の一つである。
実学として「役に立つ」ことが求められすぎている経営学は
科学的な正しさを求めるがゆえの分かりにくさと
一般社会へ伝えるための分かりやすさとのあいだで
かくも壮大な矛盾を抱えている。
本書では、成果主義、官僚制、科学的管理法など
経営学のなかでも重要とされてきたトピックを扱いながら
あえて、素朴に発せられる質問から出発してみる
という手法で、試行錯誤を繰り返し
現代の新しい経営学の在り方を真摯に問い直す。
「科学は他人を叩く棒でもないし、錦の御旗でもない。
他人ともう少しだけうまくやっていくための道具であり、
もしかしたら社会を良くすることができるかもしれない。
そんな技法のひとつとして、経営学をぜひ使ってみていただきたい。」
(本文終章より)
内容説明
「役に立つ」学問が求められる時代に、経営学者ができることは何か。科学的な正しさと、一般の人へ伝えるための分かりやすさとのあいだを行き来しながら、真の実践のための経営学を考え直す。経営学を使えば、社会の見え方はこんなにも変わる。
目次
第1章 経営学にきいてみる(学者にできることを考える;経営学と経営学者;専門にまつわるエトセトラ;それで結局、経営学はいかに役立つのか;経営学の技法)
第2章 成果主義は虚妄だったのか?―条件思考のすすめ(成果主義の理想と現実;『虚妄の成果主義』再訪;そもそも成果主義とは何か;学者がみた成果主義の正体;成果主義が作動する諸条件;条件思考のすすめ)
第3章 官僚制は悪なのか?―両面思考のすすめ(官僚制再訪;官僚制の機能と逆機能;官僚制は悪だが役に立つ?;両面思考のすすめ)
第4章 経営科学は役に立つのか?―箴言思考のすすめ(経営を科学する;経営学の「正史」;経営科学のアナザーストーリー:それらは「科学的」だったのか?;経営科学の正しさの基準;科学的管理の現在地―エビデンスベースド・マネジメント;改めて経営科学にできること;箴言思考のすすめ)
終章 科学と学者の使い方―科学でコミュニケーションする(科学知を得たあとに;素人、無垢、子ども;ふだん使いの三つの思考)
著者等紹介
舟津昌平[フナツショウヘイ]
経営学者。1989年奈良県生まれ。京都大学法学部卒業、京都大学大学院経営管理教育部修了、専門職修士(経営学)。2019年京都大学大学院経済学研究科博士後期課程修了、博士(経済学)。京都産業大学経営学部准教授などを経て、2023年10月より東京大学大学院経済学研究科講師。著書に『制度複雑性のマネジメント』(2023年度日本ベンチャー学会清成忠男賞書籍部門受賞、2024年度企業家研究フォーラム賞著書の部受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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