出版社内容情報
ウィーワークの大失敗
ソフトバンク・ビジョン・ファンドの苦境
去りゆく後継者
過去最大の巨額赤字――。
だが男は諦めなかった。
* * *
スターゲート・プロジェクトで大復活を果たした孫正義。
その手札にはアリババに匹敵するエースが残っているのか。
FT前編集長が米欧の情報源を駆使し、マサの素顔に迫る。
* * *
虚勢、莫大な富、明らかな浪費と並んで、孫正義には勇気、創造性、変化を促す力がある。
蔑まれたマイノリティーの1人として、マサは貧しい出自から立ち上がり、日本の企業文化や秩序に挑戦してきた。彼はほかの人々が足を踏み入れることを恐れるような分野に何度も何度も突撃してきた。
傲慢が一度ならず、二度、三度と彼を転落させても、決して諦めなかった。
マサはしばしば危険を冒して航海してきたが、ソフトバンクが倒産するという噂は常に誇張されてきた。ソフトバンクは日本ではおそらく大きすぎてつぶせない存在で、その命運は日本の金融システムとあまりにも絡み合っている。
さらに、マサは国内の通信事業やヤフー・ジャパンなど実際に利益を上げ、実績のある資産をおよそ20年間運営してきた。
彼はスターゲート・プロジェクトのほかに、約500社のソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資先企業を統括している。その中から、やがて第二のアリババやエヌビディアが登場する可能性もある。
彼はエースの札を何枚も持っているわけではないのかもしれない。
しかし、今でもマサの席は、一番大きな勝負ができるテーブルにある。
【目次】
登場人物
第3部 インフラの担い手(承前)
第17章 モバイルマン
第18章 救済に駆けつけるスティーブ・ジョブズ
第4部 帝国の創建者
第19章 30年ビジョン
第20章 フクシマ
第21章 スプリント
第22章 インド系は1人より2人のほうがいい
第23章 急襲作戦
第5部 驕り
第24章 水晶玉プロジェクト
第25章 クレイジーガイ
第26章 あなたたちの会社、つぶれてしまうがいい
第27章 大脱走
第28章 クジラはまだお腹を空かせている
第29章 真冬の嵐
エピローグ
謝辞
参考文献
原注
内容説明
去りゆく後継者。過去最大の巨額赤字。だが男は諦めなかった。アローラ、クラウレ、ミスラら外国人の元経営幹部に徹底取材。
目次
第3部 The Operator インフラの担い手(承前)(Mobile Man モバイルマン;Steve Jobs to the Rescue 救済に駆けつけるスティーブ・ジョブズ)
第4部 The Empire Builder 帝国の創建者(Thirty‐Year Vision 30年ビジョン;Fukushima フクシマ;Sprint スプリント;Two Indians are Better Than One インド系は1人より2人のほうがいい ほか)
第5部 Hubris 驕り(Project Crystal Ball 水晶玉プロジェクト;Crazy Guy クレイジーガイ;I Hope You Go Bust あなたたちの会社、つぶれてしまうがいい;The Great Escape 大脱走 ほか)
著者等紹介
バーバー,ライオネル[バーバー,ライオネル] [Barber,Lionel]
フィナンシャル・タイムズ紙(FT)前編集長。2005年から2020年1月まで15年間にわたり編集長を務め、FTを紙の新聞社からデジタルを含むマルチ・チャネルで事業展開するグローバルな報道機関へと変貌させた。編集長在任中、FTは2007年度と2017年度のブリティッシュ・プレス・アワードでニュースペーパー・オブ・ザ・イヤーに、2018年度と2019年度のブリティッシュ・ジャーナリズム・アワードでニュース・プロバイダー・オブ・ザ・イヤーに選出されたほか、有料購読者数100万人を突破し、数多くの国際的なジャーナリズム賞にも輝いた
村井浩紀[ムライコウキ]
日本経済研究センター・エグゼクティブ・フェロー。1984年、日本経済新聞社入社。ヒューストン、ニューヨーク、ロンドンに駐在。経済解説部長などを経て2018年から現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。