出版社内容情報
「失われた30年」は、ものづくり敗戦の30年でもあった。希望はないのか――
現場を知る取材記者による迫真のノンフィクション。
大手企業から露骨なさげすみを受けながらもしたたかに生き抜き、国内トップにまで上り詰めた下克上企業・今治造船。悲願の国際旅客機計画に挑みながらも志半ばで潰えたMRJ。確かな技術力でオンリーワンの座に就いた「変態工場」=日立金属・安来工場がはまった落とし穴。周回遅れの日本の次世代モビリティの中で輝きを放つホンダ「空飛ぶクルマ」。
単なる企業ルポとはひと味ちがう筆力で、現場の挑戦と苦闘を描き出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
乱読家 護る会支持!
2
日本人の性格の特徴である「真面目にコツコツ」は、日本企業のものづくりを支えてきたのだけれど、ヴァーチャルとAIでものづくりをする時代にあっては、その日本人の性格が逆にブレーキになっているのでは、、、、とも思う。 じゃあ、どうすればと問われても、僕には答えは全く浮かばないけれど。。。2024/08/24
けーぴる
1
自分の会社の話題が含まれていたので、興味を持って手に取った。技術者や経営者の立場で、内的あるいは外的トラブルに翻弄されながらも立ち向かっていく姿が、克明に描かれていた。 たった1人のたった1つの判断が、事業の成否を決定することもある。☆3.52024/04/06
ゼロ投資大学
0
バブル崩壊からの日本経済の失われた30年間は、「製造業=ものづくり」の衰退の歴史と重なる。造船や鉄鋼など重厚長大産業から衰退は始まり、半導体や液晶テレビなどのエレクトロニクス産業に波及していった。製造業で一際大きな存在感を放った企業の栄枯盛衰の歴史を明らかにしていく。2025/03/08