出版社内容情報
巨大債務にどう対処すべきか? ヒントは歴史の中にある。
2000年にわたる歴史から見えてくる公的債務と経済発展との関わり、債務危機対応への道。
世界史的にみてもきわめて高い水準の巨大債務をかかえる日本は、どのようにして経済成長を実現しつつ、債務問題を管理していけばよいのか。日本経済最大の問題を考察するうえでも役立つ本格的な債務論。
コロナ危機(Covid19)への対応で爆発的に増加した国家の債務。債務は経済成長の足かせとなり、将来世代への負担を強いるものとしてのみとらえるべきものなのか。著名経済史研究者たちが国家債務の歴史をたどり、その有用性を論じる。また、いかにして国々は債務危機から脱出してきたのかを明らかにする。
古代ギリシャから中世のローマ教皇、ヴェネツィア、英仏などの絶対王政、ジョン・ロー、近代国家の成立と財政、アメリカ南北戦争、南米への投資ブーム、オスマントルコ帝国、中国・清および明治日本の資金調達、中央銀行の創設、第一次・第二次世界大戦、福祉国家の登場と戦争財政、戦後の国際金融、石油マネー、途上国債務問題、ルービン財政、リーマン危機などごく最近に至るまでの歴史を取り上げる。最後に、新型コロナのパンデミックを乗り切るために公的債務の果たした役割を取り上げ、重い債務を負担する世界各国の政府が危機から立ち上がり、前に進むためのヒントを示す。
国家にとって債務は必ずしも悪いものではない。それどころか、インフラ整備から、防衛・安全保障にとって、また、金融の発展、経済成長にとって欠かせないものだ。世界の歴史をもとに、戦争やパンデミックから経済や金融の危機などの緊急事態に対して、また、運輸、教育、医療などの重要な公共財やサービスを整えるうえで、債務を発行する政府の能力が決定的な役割を持ってきたこと、公的債務の発行が金融市場の発展に寄与し、経済成長に貢献してきたことを明らかにする。債務をめぐる世界の歴史のさまざまな場面、トピックスを楽しみながら、金融をめぐる大局的な世界観が得られる教養書。
バリー・アイケングリーンら世界的に著名な研究者が執筆。増大する公的債務の背景事情、債務削減に成功するための条件を明らかにし、国家の債務問題に関するバランスのとれた議論を展開する。オリビエ・ブランシャール、アラン・ブラインダー、ニーアル・ファーガソンなどの世界的に高名な経済学者、歴史研究者が高く評価している。
内容説明
巨大債務にどう対処すべきか?ヒントは歴史の中にある。2000年にわたる歴史から見えてくる公的債務と経済発展との関わり、債務危機対応への道。
目次
第1章 イントロダクション
第2章 国家のための債務
第3章 国家と借り入れの限界
第4章 民主化とグローバル化
第5章 買い手責任
第6章 問題を抱えた債務の管理
第7章 成功した債務整理
第8章 戦争から福祉へ
第9章 債務サイクル
第10章 水と油
第11章 逃された機会
第12章 救援策としての債務
第13章 新型コロナ危機
第14章 結論
著者等紹介
アイケングリーン,バリー[アイケングリーン,バリー] [Eichengreen,Barry]
カリフォルニア大学バークレー校ジョージ・C・パルディー&ヘレン・N・パルディー経済学・政治学教授
エル=ガナイニー,アスマー[エル=ガナイニー,アスマー] [El‐Ganainy,Asmaa]
国際通貨基金(IMF)局次長。前職ではIMF欧州および財政問題部門のサーベイランス、融資調査、能力開発を担当。先進国、新興国、低所得国など幅広い国の研究経験を持つ
エステベス,ルイ[エステベス,ルイ] [Esteves,Rui]
ジュネーヴ国際開発研究大学院国際経済学・国際史教授。国際金融、制度経済学、公共金融分野にまたがる通貨・金融史を専門とする。金融グローバル化、金融危機、国家債務、金融市場構造、為替相場制、移民送金、行政におけるレントシーキング、腐敗に関する研究を行う
ミッチェナー,クリス・ジェイムズ[ミッチェナー,クリスジェイムズ] [Mitchener,Kris James]
サンタ・クララ大学ロバート&スーザン・フィノッキオ経済学教授。金融危機、経済成長、為替相場制、通貨経済学を中心に研究。American Economic Review、The Journal of Political Economy、Economic Journalなどの有力専門誌に寄稿。2015~2020年にExplorations in Economic Historyの編集長を務める
岡崎哲二[オカザキテツジ]
東京大学大学院経済学研究科教授。東京大学経済学部経済学科卒業。同大学院経済学研究科博士課程修了(経済学博士)。東京大学経済学部助教授を経て、1999年4月より現職。この間、スタンフォード大学経済学部客員教授、International Economic History Association(IEHA)会長、名誉会長などを歴任。現在、独立行政法人経済産業研究所ファカルティーフェロー、キヤノングローバル戦略研究所研究主幹も兼務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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