出版社内容情報
世界秩序を生み出した歴史的背景を理解できれば、中国、中東の問題点も見えてくる――。
21世紀の国際秩序のありようを、国際関係論の第一人者が歴史的な観点から読み解く。ロングセラー『外交』に匹敵する名著。
本書は、キッシンジャーの『外交(上下)』にならぶ名著『国際秩序』(2016年刊)をビジネス人文庫化するもの。
近代国際法の元となったのは、三十年戦争の講和条約であるヴェストファーレン条約である。これが結ばれたのが1648年のこと。この新しい条約によって、「ヨーロッパにおける秩序」が形成されるに至った。それ以降、大きな戦争が起きるたびに、「地域における秩序」は確立されてきた。しかし、結局のところ、適用範囲が広がれば、「秩序」の考え方を変えてきたのがこれまでの歴史である。
冷戦時代の枠組みは、アメリカ、ヨーロッパ先進国、ソ連といった限られた地域の国々が参加して作られた制度であり、地球上のその他の地域は初めから除外されていた。しかし、冷戦終結後、中国が台頭し、中東諸国がオイルマネーでさらに潤い、ブラジル、ベトナム、インドといった新興国が発言力を強め、アフリカ諸国もこれまで以上に国際社会でプレゼンスを高めている。昨今のニュースを見ればわかるように、イスラム教国や中国は、現在の国際秩序に真っ向から異議を唱えている。またロシアも自国の衰退を直視することを拒否し、無謀なウクライナ侵攻に踏み切っている。
この「真にグローバル化した」国際環境において、どのような「国際秩序」が作られるべきか?いま最もホットな話題に、国際秩序構築の波瀾万丈の歴史を交えてキッシンジャーが挑む。
上巻では、本書のコンセプト明らかにするととも中東問題についての考え方を明らかにする。
内容説明
近代国際法の元となったのは、三十年戦争の講和条約であるヴェストファーレン条約。それ以降、大きな戦争が起きるたびに、「地域における秩序」は確立されてきた。しかし、結局のところ、適用範囲が広がれば、「秩序」の考え方を変えてきたのがこれまでの歴史である。国際秩序がどのように誕生し、変化し、どこに向かうのかを、外交を知り抜いた大戦略家キッシンジャーが語り尽くす極上の世界史。
目次
序章 世界秩序という問題
第1章 ヨーロッパ―多元主義的な国際秩序
第2章 ヨーロッパの力の均衡システムと、その終焉
第3章 イスラム主義と中東―無秩序の世界
第4章 アメリカとイラン―秩序への取り組みのちがい
第5章 アジアの多様性
著者等紹介
キッシンジャー,ヘンリー[キッシンジャー,ヘンリー] [Kissinger,Henry]
元国家安全保障問題担当大統領補佐官、元国務長官、国際政治学者。キッシンジャー・アソシエイツ会長。1923年生まれ。ドイツ出身。ナチスの迫害を逃れて米国に亡命。第二次世界大戦では米陸軍に所属し、ヨーロッパ戦線で戦った。復員後にハーバード大学に進学。69年にはニクソン政権の国家安全保障問題担当大統領補佐官に就任。フォード政権では国務長官を務める。ベトナム和平を実現したパリ協定の締結によって、73年ノーベル平和賞受賞。今日に至るまで米国の外交・安全保障政策に多大なる影響を及ぼしてきた人物
伏見威蕃[フシミイワン]
翻訳家。1951年生まれ、早稲田大学商学部卒。ノンフィクションからミステリー小説、軍事未来小説まで幅広い分野で活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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