出版社内容情報
白井さゆり[シライ サユリ]
著・文・その他
内容説明
急成長するカーボンクレジット市場、中小企業向けのサプライチェーン・ファイナンスなど銀行の気候変動への取り組み、ESGマネーと公的資金を組み合わせたブレンデッドファイナンス―狭義のESGを超えて拡大、進化を続けるSDGsファイナンスの全貌に迫る。
目次
序章
第1章 SDGsとグリーンイニシアチブの動向
第2章 ESG投資家と、企業に期待されるESG経営
第3章 銀行のサステナブルファイナンス
第4章 拡大するカーボンクレジット市場と開発の両立
第5章 民間資金をとりこむブレンデッドファイナンスとインパクト投資
第6章 自然資本・生物多様性への世界的関心の高まりと新しい金融
著者等紹介
白井さゆり[シライサユリ]
慶應義塾大学総合政策学部教授。1963年生まれ。89年慶應義塾大学大学院経済学研究科修士課程修了。93年コロンビア大学大学院Ph.D取得(経済学博士)。国際通貨基金(IMF)エコノミスト、慶應義塾大学総合政策学部教授、日本銀行審議委員を歴任。2016年9月より現職。アジア開発銀行研究所の客員フェローを兼任し、途上国の環境・気候変動とファイナンスに関する政策分析とG7に向けた政策提言にも関与(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
78
最近この分野についての様々なニュースや記事が発信されています。気候変動にからむものやサステナブル・ファイナンスあるいはブレンデッド・ファイナンスなどです。それらについての情報をうまく整理されて最近の状況がわかるようになっています。いまだ専門的な文献は海外の情報に頼るしかないのですが現在の状況を理解するにはコンパクトていい本だという気がします。2022/10/31
奈良 楓
13
【良かった】良かったのですが、内容が高度で消化しきれなかった本。企業のファイナンス、というよりはSDGsにおける政府や金融機関等の施策が中心です。網羅性は高いのですが、それぞれの施策の著者なりの評価はもう少し聞きたい気がします。2022/11/03
はな
7
最近のSDGsを取り巻く環境や金融機関の役割、進むべき方向性、温室効果ガスの削減へのフレームワークなど最新の情報が盛り込まれていて、全体の理解にはもってこいの良書。少し追加して欲しいことはJクレジットの実際とこれからの排出権取引の普見通しなど、現在の日本で起こっていることへの考察である。2022/12/26
kk
3
気候変動の対応において資金調達は要。一方、格付けにおいてBBB以下の国においては種々のリスクにおいて十分な資金が補填されないような状況にある。そのため、ブレンテッドファイナンスの仕組みを活用し公的機関がリスクを吸収した上で途上国にファイナンスを提供する必要がある。2024/02/24
ゼロ投資大学
3
SDGsは政治的にも経済的にも世界で大きな行動指針となっている。地球温暖化による環境の著しい変化を避けるために、温暖化を1.5°~2°に抑えようと官民を挙げて取り組んでいる。ESG投資という言葉が表すように環境に先進的な取り組みをしている企業には資金が集まりやすく、そうでない企業には資金は集まりにくい。それと同時に「自然資本」と呼ばれる普段は使用コストを払っていない資源も大事にしていく心を持ちたい。2022/10/08