出版社内容情報
安藤忠雄[アンドウ タダオ]
著・文・その他
内容説明
永遠の青春を生きる。大阪から世界へ、闘いを挑んで半世紀。仕事で社会と向き合う建築家の現在地。
目次
建築家の仕事 独学でつかんだ天職
母の生家へ養子 厳しくも優しい祖母
予期せぬこと 初めての大病におろおろ
中学校の先生 「数学は美しい」と熱血指導
ボクシング 弟を追ってプロデビュー
大学進学希望 家計と学力の問題で断念
建築行脚 丹下作品に感動しきり
芸術的感性 若手が集まり互いに刺激
家族 仕事上も妻と支え合い
目標果たす覚悟 専門書片手に昼ごはん〔ほか〕
著者等紹介
安藤忠雄[アンドウタダオ]
1941年大阪生まれ。独学で建築を学び、69年安藤忠雄建築研究所を設立。79年「住吉の長屋」で日本建築学会賞。代表作に「光の教会」「地中美術館」「ブルス・ドゥ・コメルス」など。91年ニューヨーク近代美術館、93年パリのポンピドー・センターで個展。イエール大学、コロンビア大学、ハーバード大学の客員教授を務め、97年東京大学教授(03年名誉教授)。93年日本芸術院賞、95年ブリッカー賞、2005年国際建築家連合(UIA)ゴールドメダルなど受賞多数。10年文化勲章受章。15年イタリアの星勲章グランデ・ウフィチャーレ章。21年フランス政府からレジオン・ドヌール勲章コマンドゥールを日本人建築家として初めて受勲した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちゃんみー
18
「住吉の長屋」は、私が子どもの頃に建てられたコンクリート打放しの部屋と部屋を行き来するのに雨の日は傘をささないといけないという変わった家です。衝撃を受けました。なんてものを設計するんだと。あれよあれやと言う間に有名になられた安藤忠雄さんですが、恵まれた人脈によって仕事を増やされていけたのには、やはり自身の挑戦する気概があってこそのものなんだろうと思います。老いを意識するようになった氏ですが、「理想を失った時に老いるのであって、年齢を重ねるだけで老いるわけではない」と言われていることが記憶に残りました。2024/04/12
もちこ
8
安藤忠雄さんのことは、何やらかっこいいデザインの建物を設計している方ということしか知らなかったのだが、この本に書かれたエピソードは読み応えがあった。学歴もなく、独学で建築を学び、バブル期から現代までの日本の建築の第一線を駆け抜けてこられた熱意。そして街づくりや子どもたちへの支援活動など、長期的な目線で日本の再生を考える姿勢に感銘を受けた。 「今時の若者は軟弱だ」と切り捨てる物言いにはドキッとするが、安藤さんの人生を見ていくと、そう思われるのもごもっともという気がする。2024/02/13
だ
8
先月大阪旅行をした際に、こども本の森を訪問して購入。安藤忠雄の出生から2022年までを辿る短編集的な本である。人との出会い、作品への想いが一人称で語られている。 いつもながら安藤忠雄のエネルギーの大きさには痺れさせられる。メッセージも明快だ。熱意を持て、自分の頭で考え抜け、現場に飛び込め。そうやって世界有数の建築家になった人が言うのだから重みが違う。 安藤は「建築とは、人間が集まって語り合う場をつくる行為に他ならない」と言う。槇文彦の「venustasはbeautyではなくてdelight」を思い出した。2023/11/05
Naota_t
5
#2132/★3.7/安藤忠雄を知るには最適な本(事務所スタートが奈良・学園前駅のコンペと初めて知った)。安藤忠雄(82歳)は私が最も好きな建築家。大阪を愛する気持ち、一生青春と言うバイタリティあふれる挑戦・行動力から勇気をもらい共感する。経験から来る美学が形になったものが建築だ。図書館建築から分かるように、子供に野生と知性を身につけ、明るい未来を作る試みは、読書が好きな私は大賛成。建築が素晴らしい以上に、内面が魅力的なのだ。ーー集まりくる人々の心と心を繋ぎ、感動を刻み込むのが建築の真の価値なのだ。p602024/07/09
助作
3
私の履歴書とあるだけあって著者の半生を振り返ることができる。とにかくエネルギッシュ。小さな頃から今に至るまでずっとそう。そこが内外の有力者をはじめ様々な人を惹きつけてやまないところなのだろう。最近では「五臓なくとも人生は諦めない」なんて不穏なことを書かれているが一時でも長く元気に活躍されることを祈願して読了。2022/11/28