出版社内容情報
「自由で開かれたインド太平洋」構想、海洋パワー・日本――。安倍政権が成し遂げた日本の外交・安全保障戦略の大転換。日本研究の俊英が歴史的文脈のもとに、日本の対外関係、国内政治動向の分析を通じて、吉田ドクトリン以来となる画期的な日本のグランド・ストラテジー誕生の実相、意義を明らかにする。
著者は語る――。
「日本のグランド・ストラテジーに安倍がもたらした転換は、近代アジアの国際関係において最も重要な発展の一つである。それがどこから生じ、どのように進行したか理解することで、中国がより支配的となりつつある二一世紀における『破局なき競争』の見込みについて、私たちが正しく評価していく手助けになるだろう」(序章より)
「安倍のグランド・ストラテジーは軍国主義への回帰を表すものではなく、むしろ明治時代のリーダーたちが謳っていた世界主義の海洋国家としてのビジョン――アジア大陸を征服することで日本の安全保障が堅牢になると考えた愚かな軍国主義者や国粋主義者によってかき消されてしまった――の実現である」(日本語版への序文より)
「冷戦時代において吉田茂がそうであったように、戦略的思考の新しいメインストリームを安倍が形にしたのである。……その戦略を支えるロジックはきわめて強靭で、日本がこれから数十年にわたりアジアで果たす役割の針路を定めるだけでなく、アメリカ、オーストラリア、その他の日本に近い同盟国やパートナー国の戦略を形成するものでもある。『ワンマン宰相』と呼ばれた吉田茂でも達成することのなかったレガシーだ」(日本語版への序文より)
内容説明
吉田ドクトリンとの決別。「自由で開かれたインド太平洋」構想、海洋パワー・日本―。安倍政権が成し遂げた日本の外交・安全保障戦略の大転換。日本研究の俊英が歴史的文脈のもとに、その実相、意義を明らかにする。
目次
序章
第1章 近代日本のグランド・ストラテジーにおける歴史的ルーツ
第2章 中国
第3章 アメリカ
第4章 インド太平洋
第5章 韓国
第6章 対内バランシング
終章 吉田ドクトリンの終焉
著者等紹介
グリーン,マイケル・J.[グリーン,マイケルJ.] [Green,Michael J.]
シドニー大学アメリカ研究所所長。米ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)博士課程修了。SAIS助教授、外交問題評議会シニアフェロー、防衛分析研究所(IDA)研究員、米国防長官室アジア太平洋局上級顧問などを経て、2001年から2005年まで米国家安全保障会議(NSC)スタッフを務めた。当初は日本、朝鮮、オーストラリア、ニュージーランド担当アジア部長、ついで同アジア担当大統領特別補佐官兼上級アジア部長を歴任。その後、米戦略国際問題研究所(CSIS)にて上級副所長/アジア・日本部長などを務めた。2022年6月より現職。5年間日本に滞在経験があり、東京大学で研究を行うとともに、国会議員秘書などを務めた経験もある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yuki2018
kenitirokikuti
たこ焼き
バルジ
takao
-
- 電子書籍
- 「鉄道唱歌」の謎 - “汽笛一声”に沸…
-
- 電子書籍
- ゆめ色クッキング ~幸せのレシピ~ 上