出版社内容情報
人間を動かしている動機は何か?
愛情でも、思いやりでもない、義理でも人情でもない。
ただ一つ、利益である。
人間は利益によって動く動物である。 ―――『韓非子』
◇『韓非子』は、戦国時代の思想家韓非子の著作。西のマキアベリ、東の韓非子という言葉があるが、『韓非子』全編を貫いているのは、人間不信(性悪説)の哲学である。中国の古代において『論語』の理想とするような組織は、時代が下るにつれてその批判や改革への試みが徐々になされていった。その解決策として誕生したのが本書のテーマである『韓非子』だ。その意図は
「ムラ社会のような目的意識の強くないユルい組織を、成果の出せる引き締まった組織に変えたい」ということ。
強敵が外部に多数ひしめく過酷な状況でも生き残れる、筋肉質な組織を『韓非子』は作ろうとした。
◇また『韓非子』は、組織にいる人間がそのなかで生き残るための教科書という一面も持っている。『韓非子』は次のように言われることがある。
「経営者が愛読しているにもかかわらず、それがほとんど口外されない名著」
どんな名経営者であっても、組織の頂点に立ち、それを維持するためには、ライバルや派閥間の抗争、権力闘争を乗り越えなければならない状況に直面する。当然そんな状況で用いられるノウハウは、きれいごとばかりではない。他人に堂々とはいえないような手段も駆使せざるを得なくなる。さらにこうしたノウハウは、下にいる人間にとっても多々必要になる。どうしようもない上司や同僚に対抗するため、巻き添えになって責任をとらされないため……そういった状況での権力の握り方や、権力闘争のコツといった知恵を学ぶ糧として『韓非子』はあるのだ。
◇本書では『論語』的な立場(徳治)、『韓非子』的な立場(法治)の二つを対比させながら――それぞれの考え方の特徴とその強み、弱み、さらには現代的にどのような意味や活かし方があるのか、について解説する。
内容説明
「理不尽な指示に振り回されている」「パワハラ気味の指導がつらい」「反抗的な部下に手を焼いている」…。組織で働く中で、悩みやストレスとなるのが「権力関係をともなった人間関係」だ。この権力によって維持される組織を生き抜くノウハウについて、二千年以上も前から読み継がれてきたテキストが『韓非子』。社長が隠れて読む権力論、対抗するには読むしかない!
目次
第1章 人は成長できるし、堕落もする―「徳治」の光と影
第2章 『韓非子』は性悪説ではなかった?
第3章 筋肉質の組織を作るための「法」
第4章 二千年以上も歴史に先んじた「法」のノウハウ
第5章 「権力」は虎の爪
第6章 暗闇のなかに隠れて家臣を操る「術」
第7章 改革者はいつの時代も割に合わない
第8章 人を信じても信じなくても行きづまる組織のまわし方
第9章 使える権力の身につけ方
著者等紹介
守屋淳[モリヤアツシ]
作家、中国古典研究家。1965年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒。グロービス経営大学院特任教授。中国古典、主に『孫子』『論語』『老子』『荘子』などの知恵を現代にどのように活かすかをテーマとした執筆や、企業での研修・講演を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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