出版社内容情報
転換期を迎えた昨今、重要な経営資源は社員の持つ知識や能力にあ る。これまでの経営原則(プリンシプル)を打ち破るイノベーション経営の 実現に向け、新たな組織や人材活用の在り方を示した一冊。?
内容説明
これからの世界を変えるのは、自ら考え、自ら動く発電機型(ダイナモ)人材だ。
目次
第1章 失われた平成の30年:先のない企業の物語
第2章 システムだ、愚か者
第3章 経営プリンシプルの総取り替え
特別対談 野中郁次郎氏、佐宗邦威氏と語るダイナモとその時代
第4章 ダイナモを生みだせ
第5章 ダイナモ革新の道筋
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nbhd
12
「ダイナモ人」。というコンセプトとネーミングが、果たして今日イケてるのかどうかは別にして、興味深く読めた。経営学・知識創造分野の泰斗・野中郁次郎先生の教え子らによる共著。現在勤務中の某金融機関某部署で日頃募るストレスを組織病理的に理解できて、ホッとする部分があった。おっさん力学による同質化圧力、エビデンスの過剰信仰、余力と余白ゼロの組織、低い顧客感度、部署間のいがみ合い、経営層・中間管理職・若手の意識の隔たり。おいおい、全部当てはまってるぞ、これは困った。組織分析部分は納得だったけど、提言部分は弱めな本。2025/04/11
へいへい
2
「ダイナモ人」って何?に引っ張られるが、人、社会重視のプリンシプルへの転換を訴えることが本書のテーマ。現状分析と課題抽出までは興味深く読んだが、ソリューションがやや具体性に欠ける、というか学者論のように感じられた。まだ、こちらの認識がそこまで至ってないせいかもしれないが。2024/07/28
QUiChe
2
日本企業の有り様とその課題は納得出来るものばかりで、ハッとさせられた。利己主義から利他主義、実績主義からビジョンに基づく自立主義の2つは、エーリッヒ・フロムの「自由からの逃走」の教えに重なる。資本主義社会で孤独感と無力感が増大し、自己を無くしてファシズムに傾倒したドイツ人は、日本企業と重なる。フロムは「自発的な活動で世界と結びつくことが救われる残された道」と唱えたが、それは知識創造プリンシプル組織そのものだと感じた。自らがダイナモとして実践していきたい。2023/04/16
Go Extreme
1
失われた平成の30年:先のない企業の物語 システムだ、愚か者:つぎはぎでできている現在の経営システム 日本的経営システムへの埋没 ダイナモ=活力あるヤツ 21 世紀のプリンシプルへ 経営プリンシプルの総取り替え:10 の新プリンシプル 実践への六つの三角形 人間の哲学 ダイナモを生みだせ:ナレッジ・ワーカー 顧客・市場・産業を創造 行動様式 ダイナモ組織 ダイナモ革新の道筋:革新のステップ=立ち位置を知る→旗を立て集める→コト・オオゴト→新プリンシプル→旅を続ける ダイナモとして生きる2021/05/12