内容説明
武士に生まれながら、明治維新後「ランプ」の普及をいち早く読み、石油卸業を開業、大成功した大浦新太郎。外国商社に頼らず単身外国に陶器を売り込むなど、たくましい商魂を発揮。欧米各地を回り日本の軽業芸を世界に広めた。帰国後は20代前半だった松竹創業者に協力し、日本の近代芸能の黎明期を陰で支えた。明治という時代を颯爽と駆け抜けた男の破天荒な生涯。
目次
プロローグ 二人の男
第1部(廃藩置県;ランプ;石油卸商;渋沢栄一;お菊;油取引所)
第2部(布哇(ハワイ)
地上の楽園
宝川伝吉一座
JAPANESE ACROBATS
興行師スペリー
海図なき航海
契約書
再挑戦
曲馬
大浦サーカス誕生!
NY(ニューヨーク)
帰国)
第3部(大谷竹次郎;新京極とブロードウエイ;嫌がらせ;エンターテインメント;市会議員;東京・歌舞伎座)
エピローグ 東洋亭
著者等紹介
〓橋銀次郎[タカハシギンジロウ]
1947年東京に生まれる。明治大学政治経済学部卒業。日本経済新聞社入社。2011年退職後、小説家に転じ、歴史小説を発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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一笑
9
日本のエンタメの黎明期を支えた大浦新太郎の物語。著者の高橋銀治郎さんは元新聞記者と言うだけあって、余分な描写がなくとても読みやすく、すんなり言葉が落ちてきた。新太郎という名前は息子の名前と同じなので親近感もわいた(息子とは比べものにならないけれど)。今話題の渋沢栄一や松竹の創業者松次郎や竹次郎も登場し、話は盛り上がる。大浦新太郎のような生き方、まさに快男児だけれど実際は難しいだろうな。家族も大変だったのではないかと思う。でも読後感はよかった。2021/12/19
ポジー
2
たまたま図書館の新刊本コーナーで見つけた一冊だったが、引き込まれるようにあっという間に読み終えてしまった。 今話題の渋沢栄一に感化され、自らの道を大きく切り開いていった大浦新太郎という実業家の痛快な武勇伝だった。 それでも歴史的には名が知れていない主人公の波瀾万丈な生き様は非常に興味深い一冊であった。2021/02/12
kent
1
終盤で、そこにつながるのか!というのが率直な感想です。 小説というより無名な偉人伝ですね。とても読みやすく小学校高学年ならば問題なく読めるでしょう。良書です。エンターテイメント関係者は一度読んだらいいとおもいます。2021/08/06
アジャ
1
タイトルの通り、実在した明治時代の経営者の苦労と活躍の物語を爽快に読了。下級武士の四男に生まれながら、明治維新後のランプの普及を見越し石油卸業や商社に頼らず単身でハワイでの陶器販売から、アメリカでの軽業興行で大成功等々沢山ありすぎて書けない。サブタイトルの日本エンタメの黎明期の松竹との関わりには感動した。理屈抜きに面白かった。2021/05/24
NAGISAN
1
江戸から明治にかけて生きた人の物語を読むとワクワクし、勇気を与えてくれる。本書の大浦新太郎もその一人。単なる「金貸し」と思い込んでいた大浦新太郎のイメージが変わった。2021/04/13
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