出版社内容情報
経営の真実はミステリーを超える!
平成の30年間に倒れた中小・ベンチャー企業24社の失敗から、
普遍の法則を引き出す。
カメラの「ドイ」、ヘルメットの「昭栄(しょうえい)」、
ファブレス&研究開発型ベンチャーの先駆け「カンキョー」……。
あの有力企業が、なぜ ―― こうするより、ほかなかったのか?
「会社を潰した経営者の告白」5編のほか、社長の苦渋の証言を多数収録。
「倒産というカード」の戦略的な切り方に踏み込む。
内容説明
社長の告白で迫る失敗学。ナイジェリア詐欺、まさかの2度倒産、粉飾の連鎖と急死…破綻企業24社。ミステリーを超えた経営の真実。
目次
第1章 倒産は「急成長の証し」でもあった
第2章 「想定外」に長引く不況、変化対応が問われる
第3章 経営者よ、「死に急ぐ」な!
第4章 じわり企業体力奪う「跡取り問題」
第5章 経営者の孤独に付け込む「悪魔のささやき」
第6章 優しい行政、続出する「2度破綻」
第7章 「老舗大倒産時代」の到来
第8章 「倒産というカード」の切り方
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えちぜんや よーた
102
昭和の高度成長期〜平成初期の拡大路線で突然死した会社の例が多いという印象。平成の約30年間で会社の死なせ方も洗練されてきて、NHKスペシャルでは「会社のおくりびと」なる言葉を使い出した。軍事用語でいうところの「正退法」で粛々と撤退しているのが令和時代だ。ついさっきも行きつけの病院で社会保障の将来について話をしてきた。この分野も撤退戦が避けられない。敵(借金)に追い討ちをかけられず、これまで獲得した陣地(既得権益)を縮小していくか。最低限、守らなければならないのは何か?今の日本はどこもかしこもそんな感じだ。2019/10/11
fwhd8325
55
この著書の中で、これからの時代は、売り上げを少なくすることが重要になるだろうというようなことが書かれています。人口は減少の一途だし、高齢化になれば、消費はどんどん減少していくのに、企業も国もなぜ成長を掲げるのかと疑問を感じていました。時代を読むではないけれど、潮目を誤った結果が、個々に登場する企業。本当は怖い話なのです。個人的にはとっても怖い思いをして読みました。それでも、もっと、もっとと声を大きく上げる経営者は後を絶たないのでしょうね。2019/11/18
yamatoshiuruhashi
40
なぜその企業は倒産したのか。「放漫経営」という単語もあるが、本当に放漫な経営者は数少ないと思う。一所懸命に働き考えているのだがその方向性が違った、ということが多いのではないかと思う。本書に出てくる経営者たちも決して働いていないわけではない。その会社に必要な何かが足りなかった、或いは粉飾決算など為すべきでないことを為した、ということだろう。平成期に倒産した様々な企業の倒産前からの事情を交え、手身近な解り易い形でその倒産の経緯と原因を考察する一書。自らも小なりと言えど経営者として改めて危機感を持つ。2019/10/10
山田太郎
39
悪いけど、人の不幸は面白いというか。ワンマン社長だと突き進んで人のいうこと聞かないからだめといわれ、人の意見を下手に聞いてると決断力がないといわれてどうしたらいいんだと思わないでもないというか。死んだつもりでがんばれとか生きてたら取り戻せるとかいわれても当人じゃないとわからんしな。あんまり社長とかやるもんじゃないな、横で文句つけてるほうがやっぱり楽しいや。羊羹食べながら感想書いてます、あんこが好きな自分に気付く。2019/09/11
Yuma Usui
33
平成30年間で倒産した中小企業の事例を紹介した一冊。前作より広い期間でピックアップされ債務超過のスケールが大きくなった印象。当事者である経営者の告白が増え具体的な内部事情が分かって面白い。どれも厳しい内容だが、特に事業保険を掛け自決した社長の話などは読んでいて辛いものがあった。近年民事再生法が改正され事業継続の道が広がるなどしており、もしもの場合の法的知識の大切さを感じた。茹でガエルにならないよう先手や後の先を取るための準備が大切。2020/04/07