出版社内容情報
「おそらく人類が『別のやり方』に最も近づいたのは、ハイエクとポラニーの強制結婚にケインズが祝福を与えたときだった。それは具体的には、第二次世界大戦後の北太西洋諸国において開発志向の社会民主主義という形で実現した。だが社会民主主義の下に構築された制度は、持続可能性テストに合格できなかった。
代わって登場した新自由主義は、グローバルノースのエリートたちに向けて掲げた公約の多くを果たしはしたものの、望ましいユートピアへと賢く前進したかと言えば、そうではなかった」(本書「終章 人類はいまもなおユートピアに向かってのろのろと進んでいるのか?」から)
内容説明
のろのろと人類がユートピアをめざした20世紀型システムはなぜ失敗したのか?ケインズ、ムッソリーニ、2人のルーズベルトとレーニンはハイエクに反対し、サッチャーはハイエクを信奉した。2010年の世界金融危機で終わる「長い20世紀」。いま我々はどこに向かっているのだろう。
目次
第9章 ファシズムとナチズム
第10章 第二次世界大戦
第11章 敵対しつつ共存する二つの体制の冷戦
第12章 グローバルサウスの経済開発へ向けた見せかけ(および本物)のスタート
第13章 包摂
第14章 社会民主主義の栄光の三〇年
第15章 新自由主義への転回
第16章 再グローバル化、情報技術、ハイパーグローバル化
第17章 大不況と緩慢な景気回復
終章 人類はいまもなおユートピアに向かってのろのろと進んでいるのか?
著者等紹介
デロング,ブラッドフォード[デロング,ブラッドフォード] [DeLong,Bradford]
カリフォルニア大学バークレー校経済学教授。1960年生まれ。専門は、経済史、マクロ経済学、経済成長論、金融論。全米経済研究所(NBER)研究員。クリントン政権時代の1993年から1995年まで財務省次官補代理を務めた。タイラー・コーエンらと並ぶ人気ブロガーの1人。金融市場の非合理的な「ノイズ・トレーダー」の研究や商品経済から情報注目経済(information‐attention economy)への移行の研究で知られる
村井章子[ムライアキコ]
翻訳家。上智大学文学部卒業。アダム・スミス『道徳感情論』(共訳)、ミルトン・フリードマン『資本主義と自由』(いずれも日経BPクラシックス)、ファーガソン『キッシンジャー 1・2』、レビンソン『コンテナ物語 増補改訂版』(以上、日経BP)、カーネマン『ファスト&スロー』(ハヤカワ文庫)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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