内容説明
もういいではないか。世間の目を気にする歳でもない。「オレはなにをするかなあ」に、「なにもしなくてもいいのだ」という選択肢を入れてもいいと思う。ただし、仕事も辞めても、お金の軛だけはついてくる。お金の軛以外のほとんどの「しばり」はすべて観念である。しばられない自由を得るためには、観念そのものを破砕すればいいのである。「おれだって、定年後はなにもしたくないよ、腐るほど金があればそうするよ」という人がいるかもしれない。それはだめな自由である。お金がないのに、自由に生きるのがいいのである。
目次
序章 しなければならないことの不自由
第1章 人はしても自分はしない
第2章 常識にしばられない
第3章 世間にしばられない
第4章 言葉にしばられない
第5章 メディアにしばられない
第6章 人はしなくても自分はする
著者等紹介
勢古浩爾[セココウジ]
1947年大分県生まれ。明治大学政治経済学部卒業。洋書輸入会社に34年間勤務の後、2006年に退職。定年後は、無用で不要な「しばり」から解放されて、自由への一歩を踏み出す生き方を提唱。一貫して、自分自身で世間の価値観や一般通念の是非を考えることの大切さを説く。1988年、第7回毎日二十一世紀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ホークス
30
元本は2017年刊。著者は「こうすればこうなる、なんてことはない」と言う。定年後の人に対し、スカスカで偉そうな情報、脅かして何か売り付けようとする情報が溢れている。振り込め詐欺と大差ない。死ぬのに「見事」も「哀れ」も無いと言う。見栄と嫉妬があるだけ。著者は叱ったり切り捨てたり、時々言い過ぎたり、今さら自意識過剰を反省したりする。結論は、「したいように生きればいい」。本書の美点は、脅されて惑う人を批判しない優しさ。それにこの国の「みんなと同じ主義」への嫌悪。空気の苦手な私はありがたい。この教義には馴染めない2025/01/17
団塊シニア
12
いい人をやめれば人生はうまくいくし楽に生きられるという声があるが、それはいい人を無理に演じてる場合で、そうでない人、いわゆる気遣いができ思いやりがあって誠実な人はいい人をやめることはないという作者の持論には賛成である2023/10/31
Asakura Arata
6
近頃流行りの「定年後は素晴らしい」ブームのアンチ本。 「だからどうした?」というぼやきが全章にわたり展開される。ぼやきの内容が的を得ていて読んでいて痛快である。「そんなに年甲斐もなく盛り上がってどうするんだ。年寄りは年寄りだろう」と私も言いたくなる。好き好んで読んでいるのは自分なのだが。2023/04/01
オールド・ボリシェビク
4
2017年にKKベストセラーズから出した「60歳からの『しばられない』生き方」の加筆修正版。勢古さん、なぜ、いまごろ、このような本を出されたのか。この新書版の後書きに「好きに生きればいいのである。いや、したいように生きればいい。なるようになる。それでいいではないか」とある。その通りだ。人はしなくても自分はする。人はしても自分はしない。その「格率」を持って生きよう。勢古さん、新刊をお待ちしています。2023/03/16
しゅんぺい(笑)
2
ひとはしないけど、自分はする。ひとはしても、自分はしない。これまで何回も書かれてきたことやけど、なんか今回はいいなあと思った。このひとの本を読むと、よし、がんばろうって思うねんけど、読書の意味のひとつってそれやんなあと思う。2023/04/19