内容説明
消えた神、謎の神とは?記紀が描かなかった神から、中世神話、偽書の異神まで、いくつもの「日本神話」でたどる神様名鑑。
目次
第1章 記紀神話にうごめく謎の神々(オオヒルメ―アマテラスに先駆ける謎の太陽神;ヒルコ―流し棄てられた太陽の御子 ほか)
第2章 記紀には出てこない謎の古代神(宮中八神―皇室を守護してきたムスヒの神々;セオリツヒメ―祝詞に刻印された祓の女神 ほか)
第3章 怨霊と神仏習合が生んだ異形神(天満天神―王朝を翻弄した菅原道真の幻影;平将門―首都を惑わしつづける東国一の怨霊 ほか)
第4章 近代日本を揺るがした偽書と新宗教の神々(『ホツマツタエ』とアマテル大神―神代文字と和歌で綴られた神話;天理教 天理王命―神人たちが取り次いだ親神の言葉 ほか)
第5章 知られざる謎の民俗神(天道―対馬の古俗に息づく「太陽神の御子」;弥勒―民衆救済神としてのミロク ほか)
著者等紹介
平藤喜久子[ヒラフジキクコ]
1972年、山形県生まれ。学習院大学大学院博士課程後期修了、博士(日本語日本文学)。専攻は神話学、宗教学。現在は國學院大學教授
古川順弘[フルカワノブヒロ]
1970年、神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。出版社勤務を経てフリーランスに。歴史・宗教分野を中心に雑誌・書籍の編集・執筆を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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spatz
11
気が遠くなるほどの悠久の歴史の中で語り継がれてきたもの。。。 歴史の教科書が書き換えられることは、結構ひんぱんにある。 諸説あり、というのが定説のようになっている場合も多い。 語られてこなかったこと、忘れ去られていること。 日の目を見なかった説。 歴史とは為政者が描くものでもある側面。 特にあまりにも深く長く遡る時代の歴史には、まだまだたくさんの知られざるお話が眠っているに違いないと感じさせられた。 #NetGalleyJP2022/12/01
みみりん
6
古事記や日本書紀は為政者が作ったものだからそれ以前は何を崇めていたのかを記紀や他の資料から読み解く。天理教や金光教などについての解説もある。2023/01/05
わ!
3
めっちゃくちゃ面白い!記紀には出てくるが、いまひとつ流れがはっきりしない神。記紀には出てこないが、普通に神社で拝まれる神。地方によって、独自に祀られる神。体系だった宗教が強くない日本では、まだこの様な神々が躍動しているのである。そう考えると、とても楽しく思えるのは私だけだろうか?これこそが日本に根付いていた信仰だろうし、おそらく人が自然に育む信仰の原点もこの辺りにある様に思えてならない。神社や仏像にではなく、沈む夕日に手を合わせている人などを見ると、本来の信仰とはこんな形なのだろうなと思えるのです。2022/12/23
chance
0
全部覚えろと言われても無理だ、日本の神様。仏教の菩薩や如来様、インドの神様などとも一緒になったりしてただでも複雑。古事記や日本書紀、他の文献とか伝え方もいろいろ。正解なんてないんだろうけど八百万の神の国、日本。面白い。新興宗教のあたりは全く予備知識もなかったので色々調べながら読了。2024/11/29
たくさん
0
古事記、日本書紀の時代の神々から当時の政治状況などから薄まった神や氏族の解説から、 中世をかっ飛ばして新宗教や土着の神身近な神まで、これを一つにくくるのが面白い。 古代には対立軸があって、真相はわからないだろうがいろい 現在、宗教や神というと胡散臭い要素をイメージされてるが、本来窮した際に、 どうにもならない状況の極限の負荷と無に近い感受性があれば神がかるのは例があろう。 読み物として、神々になると~か。という仮定の話になるものの、そうかもなと感じる楽しい本です。#NetGalley JP2022/10/16