内容説明
聖将伝説は話半分だった!?「自分を慕ってくれている人を見捨てることなどできない」「仁徳の人」劉備玄徳らしい台詞である。小説『三国志演義』で描かれた聖人君子ぶり。はたして、このキャラクターは、嘘か真実か。フィクションにかき消された真実の姿を探るべく、史料を丹念に読み解いていく。『三国志演義』の主人公の正体は、けっこう人間くさいものだった。
目次
序章 演義と正史のギャップ
第1章 一族期待の星
第2章 群雄割拠の狭間
第3章 新たな出会い
第4章 漢を継ぐ者
第5章 劉備の聖人君子化
著者等紹介
島崎晋[シマザキススム]
1963年、東京都生まれ。歴史作家。立教大学文学部史学科卒業(東洋史学専攻)。大学在学中に、立教大学と交流のある中華人民共和国山西大学(山西省太原市)への留学経験をもつ。卒業後は旅行代理店勤務を経て、出版社で雑誌「歴史読本」の編集に携わる。現在は歴史作家として活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ようはん
15
没落した皇族の末裔で貧しい筵売りの青年劉備というのは三国志物の小説や漫画でよく見かけるが、正史の描写を研究すると若い頃の劉備の実像は涿県劉氏という地元でそこそこの名声持った一族の期待の星という感じだったというのがこの本での考察。中山靖王の末裔に関しても名乗り始めた時期やその意味合いの考察が面白かった。2021/03/01
oooともろー
3
極力「正史」に描かれた劉備に迫るとどうなるか。今時劉備を道徳的に立派な君子と考えている人はいないと思うが、面白く読めた。2021/01/23
MUSAN11383594
0
初学者向けの演義か正史をなぞっただけの書籍かと思ったが、良い意味で期待を裏切られた本。劉備の生涯を最新研究の知見を紹介しながら分かりやすく解説している初学者もマニアも満足できる一冊だった。個人的には盧植人脈についての考察と、中山靖王劉勝の末裔をいつ自称し始めたのか、なぜ劉勝の末裔を自称する必要があったのか、劉表の元に身を寄せたときは別の人物の末裔を名乗った可能性などが大変興味深かった。2021/01/31
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