内容説明
狙った獲物は必ず仕留めてみせる―。女性の声音を真似した元祖オレオレ詐欺、犯罪者としての顔を二十年以上家族に偽りつづけた窃盗犯、新聞の社会面をネタに、ニセ破産管財人に扮して一億円を巻き上げたインテリ詐欺師。現代社会にはびこる数々の詐欺事件。被害者の心の隙を突き、甘い汁をすする、悪質で巧妙なその手口。理性の裏をかく詐欺師たちの奇想天外なアイデア、驚愕の犯罪手口はいかにして生まれたのか。犯罪者を見つめつづけた著者が、長年の裁判傍聴体験をもとに詐欺師の生きざまを描き出したルポルタージュ。
目次
01 元祖オレオレ詐欺―テレビ番組から閃いた。特技の声帯模写で、娘になりきる
02 白衣の知能犯―東大キャンパスで一千万円盗んだニセ研究員
03 肩書は「ドロボウ」―実業家の仮面を被った父親。“仕事場”で現行犯逮捕
04 インテリ詐欺師―俺の勘に狂いはない。銀行支店長に一億円運ばせた男
05 窓のない家―社会に適応できない男が選んだ天職
06 カネのなる木―法外な高利息で主婦を狙ったやり手ばあさん
07 宴会詐欺―信用を盾に、大衆酒場を狙ったニセ刑事
08 謎のアジアンビューティ―体をエサに金品を巻き上げる性悪女
09 株券偽造―四億円の融資。見えない黒幕。プロを欺く一流の技
10 騙す男・騙す女―結婚詐欺師対決 クヒオ大佐対北桜冬美
著者等紹介
吉田和正[ヨシダカズマサ]
作家。1944年広島県生まれ。日本大学芸術学部中退後、映画助監督、週刊誌記者を経て、作家活動をはじめる。1988年『魔がさす―ビジネスマンの落とし穴』(光文社文庫)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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