内容説明
四月。新学期の教室のなかで、御前江真央はその心と身体に奇妙な違和感をおぼえていた。自分がここにいる意味がわからない。クラスメイトの顔も思いだせない。なぜだろうか、お腹の奥には「何か」がいるような感覚までする。すっかり困惑する真央だったが、ピーターパンのような不思議な少女との出会いをきっかけに、一緒にその違和感の正体を探りはじめる…。すべての「少年少女」に贈る、大人になれない少女と大人になりたくない少女の、夢と冒険、妄想と現実の物語。
著者等紹介
日日日[アキラ]
1986年7月29日生まれ。奈良県出身。高校在学中に『第4回新風舎文庫大賞』大賞など五つの新人賞を受賞し、『ちーちゃんは悠久の向こう』(新風舎文庫)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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そのぼん
32
ひとりの少女の不安定な日常を描いた物語でした。徐々に嫌な空気が作品全体に漂ってきて、居心地の悪い気分にさせられました。少女に自身付き纏う秘密が明かされたときは、驚愕しました。面白かったです。2013/09/03
Yobata
19
心と身体に違和感を,現実と虚構が曖昧で不安定に生きていた御前江真央は自分をピーターパンみたいなものだと称する不思議な少女と出会う。彼女を旅人さんと名付け虚構の上に生きようとするも…。香奈菱高校シリーズ第三弾。大人になれない少女達が傷を負い,犠牲を伴いながらも、それでも大人になっていく過程の物語。記憶がごっそり無く,現実と虚構の違いや意味が分からず生きている事に違和感を感じていた御前江真央が主人公。そんな自分自身も分からず他者を遠ざけていた彼女が唯一心を許したのが虚構から抜け出せなくなっていた旅人さんこと→2015/01/17
チアモン
17
発想はいいけれど、うーん。いまいちだった。現実を受け入れるってとても大変だな。大人か子供、その中間はないのかな。もう少し若いときに読んでいれば違う感想になるのかな。2016/08/19
ダリヤ
13
じゅうだいのころ、せかいやわたしたちはじつざいしなくて、なにかのとうじょうじんぶつとしていきているのではないか、そんなことをかんがえたことがわたしもあったのをおもいだしました。よんでいて、かなしくなることがおおくて、はやしださんのさいごのきもちをおもうだけで、かなしさばかりがのこるのです。2011/10/09
ミカ
11
タイトルがすごくあってる。文体もすごくあってる。酔いそうで、混乱しそうで、薄膜一枚かかったような視界にさせられてしまう。あとがきが好きです。2012/05/30




