内容説明
愛にまつわる七つの短編集。
著者等紹介
川端康成[カワバタヤスナリ]
1899(明治32)年6月14日、大阪市北区此花町に生まれる。1923(大正12)年に菊池寛の「文芸春秋」の編集同人に加わる。1924(大正13)年3月東京帝国大学国文学科卒業。1926(大正15・昭和元)年27歳のとき処女作品集『感情装飾』(金星堂)を刊行。1948(昭和23)年49歳のとき、志賀直哉のあとを継ぎ日本ペンクラブ第4代会長に就任。1961(昭和36)年62歳のとき文化勲章を受章。1968(昭和43)年69歳のときノーベル文学賞受賞。1972(昭和47)年4月16日、満72歳で没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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佐島楓
61
探していたのを古本で手に入れた。「えっ、本当に川端康成?」と疑ってしまいそうになるほど通俗的だが、仕掛けられた心理描写の妙は流石としか言いようがない。女性がまた、美しさと哀しさを秘めていて、いい。2018/07/02
kaoriction@本読み&感想リハビリ中
34
久しぶりの川端康成である。7つの短編集である。その全てが女性が主人公。思春期の少女から、成熟期の女性、夫婦、などなど、社会の荒波の中、社会の片隅で「生きる」女たちを描く。やはり、私は川端が好きである。何がと問われるとわからないのだが、この空気感、この、優美。女ゴコロの、機微。そして、日本語の美しさ。「むすめごころ」「イタリアの歌」「浅草の姉妹」「夕映え少女」が好きである。「むすめごころ」を読みながら、あぁ、川端が自殺してしまうって…わかるなぁ と。何が?なぜ?と問われると、やはりそれも返答に困るのだが。2016/01/14
みけのすずね
5
いろいろな境遇の少女、女性たちの有りようが映しとられた短編集。むすめ同士の情愛、きれいごとではないものの嫉妬や強さを自覚する見事な描写で麗しささえ覚える「むすめごころ」…「私はただ幸福なだけだ。涙ぐんでなにか大事な話をしてあげたいような、心の奥底をもっと見せ合いたいような、なんとなく激しい気持ちで、しかもたわいないじょうだんばかり言っている。」「金塊」…詐欺罪に問われ獄死した父を美しい娘が語ると、純粋な人が利用された哀しみと響くから不思議だ。2013/11/06
明治
4
様々な境遇の女性を主人公にした短編集。川端康成は文豪ってイメージがあってちょっと取っ付きにくく感じる方も多いと思う。けれどそんなことはなくて、むしろ読みやすい。登場人物の周りの環境には時代を感じるものの、本質的なところは現代と変わらない。それにしても川端は女性だったんじゃないかと思うほど女性の心理を分かっているなぁ。2011/02/19
たぬ
2
☆4 1932年~40年に書かれた女性が主人公の短編7つ。最も好きなシーンは「童謡」P81「士官と歩調を合わせるために、半玉は胸を張って、馬の華麗な足並みのように、膝をぽこぽこあげて兵隊式に歩いていた。」ってとこ。若い士官と歌いながら行進する少女がかわゆい。「正月三ヶ日」も30過ぎの奥様方の心模様が細やかに描かれていてよかった。2019/12/01
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