内容説明
鈴蘭、百合、朝顔、桔梗、木瓜、木蓮…漱石も愛でた草花は小説や日記の中でどのように描かれていたのか?明治の花物語。
目次
鈴蘭
君子蘭
鉄砲百合
山百合
鷺草
鷺苔
ジエレニアム
グロクスニア
薔薇
虞美人草〔ほか〕
著者等紹介
前川貞子[マエカワテイコ]
1933年奈良県生まれ。奈良女子大学文学部幼稚園教員養成課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Mijas
55
漱石の小説に出てくる花、朝顔、鈴蘭、百合、蓮、木蓮、木犀、木瓜、薔薇、虞美人草など。24の節にわたり、それぞれどのような場面に出てくるのか紹介され、抱一、若冲、応挙などの絵も添えられている。漱石の構想メモを通して、花が登場人物のイメージや心理状態を象徴するものであったと述べられているので、漱石の小説への興味関心が増す。例えば、「こころ」の中で木犀の前に立つ「先生」の心情はどのようなものだっただろうかとか、「草枕」の中で画工が見た風景がどれほど美しいものであっただろうか想像したくなる。2016/12/02