内容説明
時は1979年。大学生の須藤公平は、韓国からの留学生キム・ソンボと出会い、二人は親友となっていく。そんな折、軍事独裁政権が続いていた韓国で朴正熙大統領が暗殺される。民主化運動の熱は一気に高まっていった。刻一刻と変わる情勢。「新学期には帰る」と言い残し、ソンボは帰国した。連絡のつかないソンボを心配し韓国へと渡った公平。そこで目にしたのは、光州を取り巻く戒厳軍と市民軍の衝突だった。やがて公平は、激動の渦に呑み込まれていく―。卓抜した構成力で現代社会の悲劇と魂の再生を描いた社会派小説の力作、文庫化。
著者等紹介
長井朝美[ナガイアサミ]
千葉県出身。貿易会社、編集プロダクション勤務を経て、現在はフリーライター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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cao-rin
15
隣国、韓国の最大の悲劇、光州事件。良く耳にはするが、私自身不勉強で詳細を知らずにいた。大学生の公平と留学生ソンボ。1979年の軍事独裁政権下の韓国で、朴正煕大統領が暗殺された事によって民主化への熱が一気に高まり、やがて光州事件へと発展する。一時帰国したソンボを追って渡韓した公平も激動の渦に呑み込まれてゆく。架空の人物達だが、きっと当時ソンボや公平が存在したであろうと思うと胸が締めつけられた。民主化への道のりは想像以上に過酷だ。今の日本も民主主義とはとても言えないと感じる。この本に出会えて良かった。2026/02/04




