出版社内容情報
日本史上屈指のクーデター・本能寺の変。織田信長に臣従しながら、明智光秀とも懇意にしていた筒井順慶は、恩と義、そしてお家の存続と政治力学の板挟みとなる。本能寺の変と山崎の戦い、その間に筒井家にどのような苦悩があったのか? 「日和見順慶」との風評被害を受ける筒井順慶の真の人間像と武将間の駆け引きを、リアルにユーモアたっぷりに描き切る傑作歴史小説。
内容説明
本能寺の変、勃発。大和郡山城主の筒井順慶は、織田信長に臣従しながら、明智光秀とも懇意にしていた。信長の仇討ちに加勢するべきか、光秀に味方するべきか…。恩と義、そしてお家の存続と政治力学の板挟みとなる順慶。次々と現れる使者、家臣たちの本心、大和国内の不穏な噂、日々刻々と変わる状況に順慶は逡巡する。山崎の戦いまでの11日間に筒井家にどのような苦悩があったのか?「日和見順慶」とも揶揄される筒井順慶の真の人間像と武将間の駆け引きを、リアルにユーモアたっぷりに描く傑作歴史小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イシカミハサミ
14
本能寺の変、勃発。 歴史に残る大事件の知らせを受けて、 奈良の地を治める筒井順慶の判断は。 「洞ヶ峠を決め込む」という言葉が残ることにもなった、 筒井の日和見。その内情。 何の行動も見られなかったからといって、 何もしていないわけではなく、 何も考えていないわけでももちろんない。 こういうところにスポットを当てるのは 面白い試み。2025/07/09
茶幸才斎
1
初日、織田信長様の悲報に仰天。三日目、大恩ある明智につくか、否か。五日目、2日連続で津田信澄の使者が来て騒ぐ、あほかこいつ。六日目、やっぱ謀反は、いかんよな。八日目、羽柴秀吉が備中から大返しって、まじかそれ。九日目、決めた、やっと。十日目、ようやく家中一丸、やれやれ。十一日目、まずい、出遅れとる。当日、出遅れとるぞ、猛烈に。そしてここからが、大和一国を治める筒井順慶にとっての天王山。いやもう必死よこっちは。だって、どうしていいか分からんもん。と、大声で喚き散らせたら、さぞ気持ちよかろう。なんも解決せんが。2025/07/10
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