出版社内容情報
海近くの町でお母さんと幸せに暮らしていたスズ。しかしある嵐の日、仕事に行ったお母さんが戻ってくることはありませんでした。一人で暮らすようになったスズは「海の長老」から「波を編む仕事」をまかされ、夢中で波を編むようになりました。銀の糸で編まれていく波のレースは、きらめきながらスルスルと伸びていきます――美しい文と絵で紡ぐ、珠玉のファンタジー。
内容説明
海近くの小さな町でしあわせに暮らしていた二人。せつなく心にひびく幻想的な物語。第23回えほん大賞ストーリー部門大賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
anne@灯れ松明の火
19
新着棚で。春の嵐の日、海女であったお母さんは帰ってこなかった。ひとりで生きることになった、けなげなスズに届いたのは、海の長老からの手紙だった……。悲しいことも起こるけれど、優しさ、温かさの感じられる話だった。お母さんは、ずっとスズを見守り、海を介して、ふたりはつながっているのだ。第23回えほん大賞ストーリー部門大賞受賞作。2024/02/29
ほんわか・かめ
10
《風は吹くもの歌うもの 月は読むもの浮かぶもの 波は編むもの揺らすもの》海に出たまま帰ってこなかったお母さん。亡くなったと思われるお母さんを《海で生きる》と表現したのが良かった。お母さんから受け継いだ技術が、お母さんと娘を繋ぐものになっていることが心を強くしなやかにしてくれるね。〈2023/文芸社〉2024/10/12
芦屋和音
4
「波は編むものなのよ」と海に潜る仕事をしていた母が残した言葉。スズの元にカモメ郵便で届く手紙は「編み人求む」。スズの編んだ波のレースは海を進み……。穏やかな音色と光に包まれて、海を介して繫がっていること。悲しいこともあるけれど、海は美しく海辺に生きる者たちを見守っているのだと感じさせてくれる絵本です。2024/03/13
かよ
3
心がほぐれて…温まる感じ 自分の今の環境、家族、周りに在る方々 そのまま 丸ごと…愛おしくなります。2024/02/11
より
2
★★★★2024/05/04