感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yamakujira
7
昭和新山の噴火と造山活動に翻弄される人々を描く小説は、地元の生活者や郵便局長ではなく警察署長や鉄道員の視点でつむがれるのがおもしろいけれど、家や農地を失った農民の行く末に触れないから、高みの見物のような雰囲気だ。著者が道警引退者だからか、それとも署の史料を紐解いたからか、警察の苦労と活躍を喧伝する一方で、郵便局長が嫌味な人物として端役にされてるのは含むところがありそうだな。題材として興味深いのに、内容の重複はともかく、読点の位置とか、主語と述語の齟齬とか、構文が拙くて読みにくいのが残念。 (★★☆☆☆)2021/12/23