内容説明
群馬県前橋市で薬剤師をしている石野紘子のもとに、前橋警察署から連絡が入った。先月まで、全日健康薬品の社員で、中国の上海工場で薬品管理部門の責任者をしていた兄の勤が、不通渓谷で遺体で発見されたという知らせだった。勤は帰国後、成田空港から行方不明になっていた。兄の死から数日後、妹の紘子のもとに、中国から投函された兄からの手紙が届いた。その紙面には、「法輪功、悪魔のゼンニッポリン」と書かれていた―。「臓器移植」の闇をするどく抉る、衝撃の医療サスペンス!!
著者等紹介
麻野涼[アサノリョウ]
1950年埼玉県生まれ。早稲田大学卒業後、ブラジルへ移住。サンパウロで発行されている日系紙パウリスタ新聞(現ニッケイ新聞)勤務を経て、78年帰国。以後、フリーライター。高橋幸春のペンネームで、ノンフィクションを執筆。87年、『カリブ海の“楽園”』(潮出版)で第六回潮ノンフィクション賞、91年に『蒼氓の大地』(講談社)で第13回講談社ノンフィクション賞受賞。2000年に初の小説『天皇の船』(文藝春秋)を麻野涼のペンネームで上梓(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kei@名古屋
17
臓器移植問題。。。死の臓器とかのシリーズ化と言えば、これ単体で読めば良い作品です。ただ、ここに作家麻野涼ではなく、ライター麻野涼が少し顔を出しているのでしょう。綿密な取材が故に書ける作品の一つかもしれませんね2018/11/07
petitlyz
16
Kindle unlimitedで読んだ。中国で行われた臓器移植に関するストーリー。何の罪もない人が臓器を取られたり、正義感ある人が殺害されたりして、それを調べる週刊誌記者も自動車事故(事件)にあう。被害者の遺族や恋人はこのことに関して調べたり関係者に話を聞いたりしていて、逆に狙われるのでは、と心配しながら読んだ。臓器移植に関するこういったことは本当にありそうとも思えた。2024/03/06
みどり
3
臓器移植は、日本ではほとんど行われていない、というのはもう一般人でも周知の事実だけれど、 相手が中国で、こういう話になると、本当に「どこまでがフィクションでどこからがノンフィクションなのか」という疑問がもやもやと湧き上がってくる本。 今のところ、自分も五体満足だし、周りの人間もみな元気だから読んでいられるのかもしれない。2021/08/30
007
3
臓器移植をめぐる黒い世界。実際にはもっと水面下で本当に行われてそうだわ。2019/04/14
おしょも
3
読み応えもあり、内容もリアリティがあり楽しめた。ただ、所々、読者のためなのか説明を繰り返す所がありくどかったかな。2018/12/15