感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のんすけ
34
図書館にて新刊本より借りる。前回新人だった堺くんも2年目、役所では先輩だけどワーカー新人がくる。そして彼は生活保護の不正受給を減らし、税金の無駄遣いを減らさなければと豪語するも、実際の保護の現場に立ち会い変化していく。そして堺はさらなる困難ケースに立ち向かうお仕事小説。努力する才能のない相談者は現代の若者の問題とも見えるし、救急搬送されて拘束される老人は実際ケアマネ時代に見たことがある。かなり生々しいリアルな話に向き合うワーカーに思わずエールを送りたくなる。さて、彼女との進展もみたいかな。2018/04/24
タルシル📖ヨムノスキー
27
前作〝フクシノヒト〟を読んだのが約4年前。主人公の堺くんの入庁したての初々しさと、強烈な個性のヒロイン・白井野さんのことは何となく覚えていたものの、あとは記憶の引き出しを引っ掻き回しながら読みました。2年目となった堺くんが向き合うのは、「努力する才能がない」と働くことを諦めてしまった若者、ネグレクトの母親、自死を選んだ高齢者など難題ばかり。「健康で文化的な最低限度の生活」を保証するための生活保護ですが「世話になるのが恥ずかしい」と申請を拒む人がいる反面、不正受給の例も多く聞かれ…。この問題は本当に難しい。2023/09/07
モルテン
12
生活保護ケースワーカーのお話の2作目。前作で新人ケースワーカーだった主人公は2年目。係には意識高い系の新人も入り、係内人間関係も少し深まって描かれるようになった。本作は2018年に執筆されており、生活保護の不正受給など、昨今話題になっている事象を取り上げながら、「福祉の人」として考えること・することについて地に足がついたトーンで描かれている。それぞれのケースについて思い悩む主人公がいかにも2年目らしい。1作目に比べてあまり違和感なくスルッと読了。しみじみ大変なお仕事だと思う。2020/10/24
ニカ
11
前作から大分時間が経って読んだから、登場人物全員忘れていたけど、色々な生活保護者が出てきて、ケースワーカーの大変さが良く分かった。難しい話しだけどライトな感じで読めるのが良かった。2022/10/24
かつ丼
11
区役所で生活保護の業務を担当する男性職員にまつわる物語。不正受給などがしばしば取り上げられるが、「見て考えて疑う力は必要だけど、人間を心底のところで信じるのって、大事な気がする」という言葉が印象に残った。2018/01/30