内容説明
北アルプス山岳救助隊員・紫門一鬼は、大糸線・穂高駅の近くで絞殺された東京に住む、根岸淑子の調査を長野県警から依頼された。彼女のデイパックには謎の男の写真2枚が入っていた。彼女の夫は、2年前、北アルプスの事故で死んでいた。謎の男は夫の死と関連があるのか?! そんな中、山岳写真家・久住が絞殺された女性を写真に撮影していたことがわかった。久住の不審な行動に、柴門が迫る、山岳ミステリーの傑作!!
感想・レビュー
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yamakujira
5
安曇野で女性の絞殺死体が発見された。被害者の夫が通りすがりの登山者に助けを拒まれて遭難死した過去を知った山岳救助隊員の紫門は、事件の関連を疑って独自に捜査を始める。すると挙動が怪しい写真家が冬の餓鬼岳で不自然な凍死体で発見された。容疑者として正体不明の青い鈴をつけた登山者を追う展開で、犯人が後から唐突に登場するから謎解きの楽しさを欠いても、山の雰囲気に触れながら気楽に楽しめる。殺人を犯すには動機が弱く思えるけれど、遺族の八つ当たりが犯人の暴走を招いたとも言えそうだなぁ。紫門は自腹なのかな。 (★★★☆☆)2021/01/20