内容説明
その日、山梨は100年に一度の大雪で、交通も通信もマヒしていた。豪雪の中、2台のスノーモービルがある施設を目指して疾駆していた。避難シェルターと呼ばれる施設には、夫やストーカーから逃げ出した女や子供がひっそりと暮らしていた。スノーモービルの男たちは、施設から子供を奪還するために武装していた。しかし、雪に閉ざされたシェルターでは、すでに血の惨劇が起こっていた―?!暴力と血に彩られた、トカジ・ワールド全開!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
293
かなり久しぶりの戸梶作品。救いの無い物語であるのは確かだが、思ったほど強烈ではなかった。男二人がシェルターに辿り着くまでの過程に多くの頁が割かれており、タイトルにあるような血祭りシーンはあっさり終わる。視点人物が複数登場するが、まさに使い捨ての駒のように説明も少なく退場していき、余韻は残らない。寺井と嫁の桔香の関係ぐらいが少し考えさせられる程度で、基本はなにも考えずに刺激に身を委ねて楽しむ暗黒エンターテイメント。歯車が噛み合わずに、お互いに自分の正当性を譲れない男女の関係性なんかは上手に描けていると思う。2017/03/12
H!deking
81
お久しぶりのトカジ作品。ざっくり言うと、DV夫から逃げてシェルターで暮らす妻とそれを追いかける夫。最後は...的な話です。うーん、感想が難しいな。実際こういうことあるんだろうね。面白いのは面白いんだけど、ところどころで引っかかりを覚えます。ハンターKの導入部分が一番面白かった笑。2022/09/07
ぴかりん
17
DVから逃げるためのシェルターがメイン舞台の話。同じように暴力やエログロな話を書く作家、平山夢明から文学の香りを取り除いて漫画にした感じ。わかりにくいか(笑)。私は好きですけど、好き嫌いはハッキリ分かれる作家さんです。2017/04/18
りょう(アイコン変更5)
10
タイトルからして、おどろおどろしい。。。そしてその通りだった。子供を連れ戻すため、DVシェルターを元ダンナが探す話。主な登場人物の男も女も狂っててクズすぎ。子供までおかしなことに。最後はタイトル通り惨殺血祭り。めちゃくちゃで救えない話でした。戸梶さん初読みだから、読む前に調べたけど、誰も書かないような暗部&過激な小説を書く方だったのですね。2017/01/30
のじ
10
ある意味タイトル通りなんだけど、タイトルで想像した感じとは違った。嫌悪感を感じるほどの暴力が支配する話、なのと、山梨での記録的な大雪を舞台にした話で、あの大雪を身をもって体験した自分にはすごく圧迫感を感じた。一方で、知っている場所が舞台だとちょっとした違和感も感じてしまうなあ。ほとんどの登場人物に共感を感じないけど、もうちょい毒の中にユーモア(というか、バカだなあ!というような部分)のようなものが欲しかったかなあとも思う。この人の話で一番好きなのは「アウトリミット」かな。2016/12/29
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