内容説明
武士の誠を尽くし、幕府と朝廷の間で翻弄された会津藩。動乱のさなか、佐久間象山、勝勝舟に師事した兄・山本覚馬より薫陶を受けながら砲を学び、篭城戦では自ら断髪・男装、スペンサー銃を片手に厳然と戊辰戦争を戦い抜いた会津のジャンヌ・ダルク、新島八重の壮絶な生涯!明治維新後、八重は新島襄と出会い、再婚し、新しい人生を歩み、「日本のナイチンゲール」へと転身する。戦う女サムライから、自立する女性に。これこそ八重の真の維新であった―。
目次
序章 幕末動乱の国内事情
第1章 会津に咲いた八重の桜
第2章 京都の大変、会津の大変
第3章 会津の不幸と会津戦争のはじまり
第4章 八重の会津戦争
第5章 八重の転生と再婚
著者等紹介
由良弥生[ユラヤヨイ]
作家。東京都に生まれる。明治大学政治経済学部卒業。出版社勤務を経て編集事務所設立。以来、古典や神仏、歴史に関心を寄せ、様々な図書の企画編集及び執筆を手がける。1999年には『グリム童話』を現代に再現することに挑戦し、ベストセラーに。歴史上の世相、風俗、恋愛、さらには隠された人々の深層心理を探り、大胆に再現する筆致は高い評価を得ている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
DIMENSIONSEC
2
本書の60%以上は幕末の会津藩についての説明で新島八重についての言及はいたって少ない。半分も過ぎたころに会津戦争の仔細な描写になりその中で俄然存在感を発揮するのがこの八重。銃器に長けナポレオンの兵法を使いこなす八重は血まみれの戦場でその真価を発揮する。その後の激動の半生も娘時代の確固たる武士道が背骨にあればこそ。個人的にはもっと八重と襄の同志社設立前後のエピソードを掘り下げてほしい。 印象に残ったフレーズ「生きることは難しいが死ぬことはたやすい。」2014/11/25
小松 辰雄
1
物語の順序がバラバラになったり、ある程度の予備知識がないとついて行けないかも。ただ、数多くのエピソードを交え会津の悲劇を淡々と語っていくドキュメントとして見事だった。2015/05/27
kuwaman
1
八重の人生は会津戦争の前後で大きく二分されました。兄の影響を強く受け、後半生もハイカラな人生を送った八重。NHK大河ドラマも終幕を迎えようとしています。2013/06/03
kuwachan_man
1
大河ドラマは見ていないけど、人物像が知りたくて読みました。新島八重は、88年の生涯で江戸・明治・大正・昭和の四世代を生きた”ハンサムウーマン”でした。同志社の設立を支えた面も素晴らしいと思うけど、特に会津戦争での砲術指南が真骨頂です。激動の前半生と静の(婦女教育に尽くした)後半生も好対照で一気に読めました。2013/06/03