感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
topo
8
副題にちょっと怖いとあるけどだいぶ、いやかなり怖い。人間の悪意、執念、狂気など現実的な怖さから、得体の知れぬ幻想的な怖さまで様々な恐怖を味わう。怖さの正体や結末の婉曲な描写が更に恐怖心を煽り、ひやりとした余韻を残す15編。 可愛い白鳥に有能な執事が出てくる表題作『レンタルの白鳥』、ラストシーンが綺麗で(怖いけど)涙が零れそうになった『シワニー・グライド・ダンス』、好きな展開の『コンパニオン』、幻想的な『黒と白のゲーム』が特にお気に入り。視覚的にも精神的にも怖かったのが『ウサギ肉の煮込み料理』、『停電』。2021/05/04
ハルト
4
白鳥と奇妙な同居をすることになった表題作をはじめ、おとぎ話めいたシンプルさの中にぞわっとするほの怖さのある短編集でした。後味の悪さがなんだかクセになる感じ。作品自体はどれも好きなんですが、文が合わずいまいち楽しみきれなかったのが残念。2012/05/19
砂糖
3
「しずくの首かざり」「ウィロビーチェイスのおおかみ」といった上質な児童書の作者が描く大人向けの怖い話。怖いといってもホラーばかりではなく、ファンタジー風味のものやシニカルなもの、ブラックなものとバラエティ豊か。表題作は現代版ファンタジーと思いきや・・・。「黒と白のゲーム」「この暗い道を下っていくのはだれか」が好き。訳のせいか、元々の文体のせいか、説明不足というか話に入りにくいところもあるが、(ウィロビーチェイス・・・もそうだったが)ぴたっとはまると本当に面白いです。2015/12/23
ヴィオラ
3
「白鳥」とか「お話」とかいうワードから、童話風な短編集なのかと思ったけど、特に子供向けなわけではなかったです。怖いというよりも、じんわりモヤっと不安な気分になる感じ。中でも「助手」の、嫌な感じとラストは好きだなぁ(^_^;)2012/08/16
兎に角うさぎ
3
表題作の「レンタルの白鳥」が物語的には一番盛り上がるかも。物語の展開自体はグリムとか昔話風なのにホラーなのでハッピーエンドにはなりませんで。つーか、次はどうなったんだ!と突っ込みたくなる話でした。最初の「間借り人」は…病気とあの夫婦の関係が理解できなかったので怖いには怖い。「聴き方」はこれだけで読み応えある短編でした。「黒と白のゲーム」と「笑う時刻」はY.A.で耐え得ると思うなあ。タイトル通り「ちょっと怖いお話」なのですが、怖さがいろいろです。ただ訳文の硬さが気になりました。 2012/03/22