感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yooou
6
☆☆☆☆☆ 部族。サウジ。イスラム教。石油。中東情勢。国際情勢。過去、現在、未来。メッカで起こったテロで発露した矛盾の数々。おどろくほど見事にコンパクトに纏まった一冊でありました。2015/03/10
Kenji Suzuya
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1979年末に発生したカーバ神殿の占拠事件の顛末とそれに至る背景を扱う。書きぶりは平易であり、またサウジアラビア国内の権力の構図にも触れていて、国内事情の基礎的知識がない人にも読みやすいともいえる。しかしながら記述内容は徹頭徹尾、現地に駐在していた人の肌感覚による印象論であり、いわば一般的に流通している言説の集合体とでもいうものに過ぎない。また事件そのものの経緯についても独自取材があったわけでもなく、他の文献から得られた情報を適度にまとめているにすぎない。2015/10/29