内容説明
木曽義仲の嫡男義高は、源頼朝の長女大姫の許婚者として鎌倉へ送られるが…。時に義高11歳、大姫はわずか6歳。大姫は7歳にして貝のように固く心を閉ざし、生涯その心が開かれることはなかった。時代の波に翻弄されてゆく人間像を見事に描いた表題作のほか、『耳』『竜神伝説』『その後の大姫「夕笛」』の3編の時代小説を収めた短編集。
著者等紹介
奥沢拓[オクサワタク]
本名・小栗哲至。版画家(木版)・詩人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひとみ
2
木曽義仲の嫡男、義高と、源頼朝の長女、大姫との悲恋ですね。義高は、人質として鎌倉に連れて来られ、わずか12歳で殺されてしまいます。文武両道の優秀な子だったのに。大姫はその後病床に伏して20歳そこそこで病死。大姫は義高が死んだとき7歳だったのにその後ずっと義高が忘れられなかったんですね。二人共生きたかったでしょうね。2016/02/07
真月 洋々
1
題名から予想したこととはだいぶ違う印象を受けました。が、これはこれとして一つの連編として読めば趣旨が一貫していていい感じかと。ひたすら周囲からの視点で話が進んでいくので回りくどくはあって、でもそれがなにか影響を与えているわけでもなく、そういう作風だな、という感じ。2015/08/27