内容説明
最早、刻小路文彦は、土岐岳彦の分身ではなかった。むしろ岳彦が捨ててきた、人間として最も大切で魅力的な部分を、文彦は抱え込み存在しているのだった。これこそが、「時」の彼方に過ぎ去っていったものだ。その「時」を刻み続ける使命を帯びて、文彦は自分自身のなさなければならないものを感じ取っていた。生きること、自己の存在…それを確認するため、男は時を越え、戦国の世に降り立った。そして、挑む相手は―。
著者等紹介
赤堀芳男[アカボリヨシオ]
1950年、栃木県生まれ。歴史ミステリーを探求した浪漫物語の創作に専念。その他、陶磁器の歴史、美術評論にも造詣が深い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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