内容説明
1945年8月15日、終戦。そこから市井の人々の新たな戦いが始まった。あらゆるインフラを失いかけ、毎日の生活に追われる日々。しかし、そんな人々の顔には、不思議と笑みが溢れていた。戦後間もなき日本を切り取った『煌きの瞬間』に続くモノクローム写真集第2弾。
著者等紹介
三橋松太郎[ミツハシマツタロウ]
1931年神奈川県横浜市生まれ。1951年アルス写真年鑑入選。1952年アルス写真年鑑入選。第1回鎌倉カーニバル特選。1954年第39回二科展入選。第10回横浜美術協会展教育委員会長賞。第15回国際写真サロン入選。1955年第40回二科展入選。1956年第41回二科展推薦栗林賞。1959年横浜美術協会写真部会員。2002年神奈川県写真作家協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ikedama99
5
図書館から借りた本。戦後の昭和を取り上げている。人々の笑顔の写真は、やっぱりいいと思う。横浜のほかに、自分の住んでいる市の市場の写真にはびっくり。このときに大根を売っていた女性、今なら80歳ごえだろうか。お元気だろうかと思ったりした。写真は、いろいろなことを伝えてくれると思う。2018/06/26
勝浩1958
2
作品№75:「お腹の大きい子」お腹が大きいのは恐らく栄養失調によるものであろう。1950年代の日本はまだまだ貧しく、食糧事情は厳しかったのではないだろうか。私の小学生低学年の頃の給食は、アメリカからの配給だったと思う。デコボコしたアルマイトの器に入れられ温くなった脱脂粉乳の不味かった味が今も忘れられない。でも、この頃の子供たちは今よりずっと活き活きとしていた。路地や空き地をわがもの顔で、親の『晩ご飯よっ!』の声がかかるまで遊び呆けていたものだ。2012/08/31
のぼりけんたろう
1
戦後混乱期の横浜を中心とした写真集。これだけ、この時期の写真が鮮明に残ってることがすごい。ドロドロ・ボロボロの服に質素な食事に今にも倒壊しそうな家屋。こんな状況から現在のようにまで生活や街を再建できたなんてもう信じられないし、それももはや「歴史的事実」になろうとしてる。だからこそ、こういう写真を通じて当時と現在の連続性を意識のは、すごく大事なことだと思う。2012/04/16