内容説明
読書を最良の友として、青春時代に多くの名著に触れてきた著者が、感銘を受けた文豪作品の一節を、それにまつわる自らの思い出とともに紹介する。文学作品を通して「人間」「人生」について学ぶ読書エッセイ。
目次
1 快男児坊っちゃん―後悔するまでたたきつける(夏目漱石『坊っちゃん』)
2 人生の厳粛―お金は頼りがいのある助っ人(太宰治『斜陽』)
3 人間の行動―説明しきれるものとは思えない(坂口安吾「ドストエフスキーとバルザック」)
4 真剣な意思表示―「君」という以上は、「君」と言われても平気(森鴎外『予が立場』)
5 空想の限界―戦争の不条理と核兵器の残虐さ(井伏鱒二『黒い雨』)
6 真面目な亭主―女房を張り飛ばすことができるだろうか?(正宗白鳥『トルストイについて』)
7 真っ当な人間らしさ―卑劣や残忍に対してはどこまでも敵(芥川龍之介『杜子春』)
8 迷信の馬鹿らしさ―百害あって一利無し(三島由紀夫『不道徳教育講座』)
9 権力の暴走―太平洋戦争を風化させることは許されない(大岡昇平『俘虜記』)
10 残された通帳―伝わってくるものは(永井荷風『葛飾土産』)
著者等紹介
小嶋宏[コジマヒロシ]
1943年、東京都生まれ。横浜市立大学卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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