内容説明
本書は、死の直前まで書き続けられた、作家の自伝であるとともに、自伝の枠を超えた同時代史(一八七〇年代史)であり、とりわけ、ロシア・インテリゲンツィヤ―ナロードの中へ行き、ナロードに背かれ、挫折していった―の悲喜劇が、ときにはユーモアを湛えながら、語られている。
目次
第3巻(森の奥;ヴィシネヴォロツカヤ政治監獄;ペルミで;ヤクート州への途上;イルクーツク監獄)
第4巻(ヤクート州)
著者等紹介
コロレンコ,ヴラジーミル・ガラクチオーノヴィチ[コロレンコ,ヴラジーミルガラクチオーノヴィチ][Короленко,Владимир Галактионович]
1853~1921。19世紀ロシア文学最後の大家。我が国には叙情的小品が数編紹介されているに過ぎず、「ナロードニキ作家」というレッテルが貼られることもある。しかし、その本領はジャーナリスト活動にあり、生涯、権力の不法を糾弾してやまなかった。最晩年、新たに登場したボリシェヴィキ政権に対しても、1920年夏、公開状(いわゆる『ルナチャールスキーへの手紙』)を送り、その非道を鋭く批判した。代表作『わが同時代人の歴史』(全4巻)
斎藤徹[サイトウトオル]
1934年東京生まれ。早稲田大学第一文学部露文科卒業。一橋大学社会学研究科修士課程修了。その後、ロシア文学を離れ、私立女子高校の教諭として定年まで勤務。退職後、ロシア文学に戻り、コロレンコ著『わが同時代人の歴史』の邦訳に専念(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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