内容説明
ムスタファ・ケマル・アタチュルク。ガリポリの戦い、サカリア川の戦いで「救国の英雄」となったケマル。帝政打倒と共和国建設に賭ける情熱と苦悩を見事に描き切った評伝小説。
著者等紹介
三浦伸昭[ミウラノブアキ]
1968年東京都生まれ。中央大学卒。公認会計士の仕事のかたわら、執筆にいそしむ。日本であまり知られていない世界史の発掘に熱意を燃やしている。URLにて新作を発表中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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姉勤
24
ケマル・パシャ伝 (新潮選書)につづく、アタチュルク(トルコの父の意)伝の2冊目。酒飲み&女誑しという人柄が色つけられた分、より小説らしいのと、近代西欧、とくに英仏帝国主義の狡猾さと残酷さがより描かれている。彼が独裁者として成功したのは愛国心(この言葉に抵抗があるなら義侠心)はもちろん、天の時・地の利・人の和が備わっていたからだろう。報復とはいえ、ギリシャ人、アルメニア人、クルド人の虐殺を指揮しているが、滅んだ民族に対しクレームを言う国などなく、生き残ることこそ綺麗事を排した最低限の正義と言えるだろう。2015/09/06
ての字
2
評伝風。文章は生硬く忍耐がいるが、西洋寄りでない視点は希少なので比較一考のために読破2009/09/29
可兒
1
「現在の時点では私がトルコだ」という名文句を産んだのは、たぶんこの本だと思う(違いました。「灰色の狼ムスタファ・ケマル」からだそうです。お詫びして訂正します)。まあ現代日本をくさすのは、海外の偉人伝なのだからご愛嬌というべきだろうか2012/06/15
ゆまち
1
さくさく読めますが、ところどころで著者がアタテュルクあるいはトルコを持ち上げ、返す刀で戦後日本を批判するのが少々鼻につきます。そのわりに著者の戦前に対する認識は東京裁判史観の域を出ないので、アタテュルクの日本に対する意識や山田寅次郎に関する記述には若干もにょもにょしたものが残ります。2010/09/22
ester
0
☆☆☆☆2015/07/07