出版社内容情報
いま語りつぎ、子どもにつたえる戦争の悲劇と平和への祈り。「平和文庫」シリーズの最新刊です。本書は、奇跡的に生還した14歳少女が綴った被爆・闘病記。/付・父の思い出/永井隆博士よりの手紙と序文。
目次
第1部(運命の日;雅子斃れず;原子との闘い;新生)
第2部(あの日から一年;父の贈りもの;芍薬;眼を病む;永井博士を訪ねて;深堀少年と平さん;みどりの長崎)
第3部―父の思い出(その日の朝;我が子帰らず;奇蹟の生還;病む頃;長崎を離れて;爆心地を行く)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サン
15
長崎原爆で被曝した石田雅子さんの手記。当時15歳で落下近くにいた雅子さんは頭部を怪我し、父のもとへ帰宅するため歩いた。途中出会った親切な方々の支援や遺体の多さなどまっすぐな15歳だったからこそ素直な文ですっと入ってきます。永井隆先生との交流も伺える本でした。2019/02/20
雪の行者山@加療リハビリ中
4
今年も8月9日に再読。今年は当日翌日の話よりも、治療の日々のほうが重く心にのしかかった。大丈夫だったと思うときあり、こりゃ大変だと思うときあり、治ったと思ってもまた何かが起こる。そういう繰り返しを続けることは想像もつかない苦しみの日々のような気がする。わけもわからず原子爆弾に被爆しても、人々の人としての矜持、やさしさ、気遣いを雅子さんの体験に見てホッとし我が身を振り返ることを余儀なくさせる。「あんな過酷な状況でああいうことができた人たちがいるんだ、今の自分は?」そういう意味でしんどいかも。2016/08/09
雪の行者山@加療リハビリ中
2
今年はやっぱり時間がかかった。そして、深堀さんとかまわりの人たちのことをいつもより考えながら読んだ。継ぎ手に入れたい原爆関連書は「重松日記」。2017/08/15
雪の行者山@加療リハビリ中
0
長崎で原爆を受けた石田雅子さん15歳の記録です。学徒動員で三菱兵器工場で働いているときに被爆しました。たくさんの同僚をそこで亡くされたようです。私が読んだほかの原爆記録よりも残酷な描写が少なめなような気がします。その代わり、受けた親切や一緒に逃げようとした深堀少年のことが丁寧に描かれています。そして、原爆症と戦いながら、助けてくれたおじさんたち、助けようとした深堀君の行方に心を砕いています。とても心に残る、勉強になる本でした。この本を読んで始めて永井隆博士の本も読んでみようかという気になりました。2015/08/09
サイクリスト・川崎
0
その当事者でなければ語れない状況が、淡々と綴られて、胸がつまります。2014/08/28
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- 和書
- あなたの右手は蜂蜜の香り