目次
第1章 早熟な都会のお坊ちゃん(芸術家の血筋;父と母;幼な心に嗅いだエロスの匂い;田舎への憧れ;兄の戦死;東京はさっぱりした;早稲田の演劇仲間)
第2章 鬼の今平(闇市の三船敏郎;最初の師―小津安二郎監督;猛反対された結婚;陽気で闊達で軽薄で―川島雄三監督;回り道なんてもんあらへん;「重喜劇」の誕生;蛇の裏山;オールロケ、役者は素人)
第3章 常民を撮る神を撮る(南方へ―柳田民俗学に誘われて;汝ら何を好んでウジ虫ばかり書く;女の底知れない強さ;歌舞伎町の魑魅魍魎“探偵社”―今村プロ設立;「人間蒸発」 ほか)
第4章 創造の曠野へ(日本初の映画学校;己れの生き方が最高の教育 ほか)
著者等紹介
今村昌平[イマムラショウヘイ]
1926~2006東京都生まれ。人間の欲望を独自のスタイルで描いた日本を代表する映画監督、脚本家。小津安二郎、川島雄三の助監督時代を経て監督になる。カンヌ国際映画祭では『楢山節考』『うなぎ』でパルムドールを2度受賞という快挙を成し遂げる。ファンや映画仲間の間では“イマヘイ”の愛称で親しまれていた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mittsko
5
『楢山節考』『うなぎ』など数々の名作を誇る映画監督・今村昌平の自伝。今村作品が大好きなボクには、とんでもなく面白かった。どこもかしこも名言だらけ、と興奮した。ただ、外国映画の影響への言及がほぼ全くないのは意外。2010年刊の本書は、全170巻の自伝・評伝シリーズの一冊だが、底本がある。日経新聞の人気シリーズ「私の履歴書」での連載をまとめた『映画は狂気の旅である』(04年)。なお、本書にあとがき代わりに収められた、ご長男の天願大介氏によるエッセイ「親父の横顔―息子から見た今村昌平」が、文句なしにすばらしい!2018/07/06