出版社内容情報
ワルター没後50年記念企画。日本の代表的楽界人に寄稿を募り、大指揮者の業績再評価。ワルターに心酔する宇野功芳氏渾身の編集。
2012年2月17日は、クラシック音楽の歴史に偉大な足跡を記す音楽家、そしてわが国で今日なお絶大な人気を保っている名指揮者ブルーノ・ワルターの50回目の命日です。それを記念して、ワルターの人と音楽を最も深く理解し、敬愛しつづけている音楽評論家・宇野功芳氏が、自ら企画編集した『宇野功芳編集長の本 没後50年記念 ブルーノ・ワルター』を刊行致します。
ワルターと宇野氏の交流は、1952年に宇野氏がワルターに送った手紙から始まり、ワルターが亡くなる1962年まで続きました。本誌には、ワルターからの手紙の初公開、ワルターの音楽と人に魅了された多くの人々、実演を聴いた体験のある皆川達夫氏を筆頭に、オペラ評論の大御所・??崎保男氏、作家の宮城谷昌光氏と宇神幸男氏、中国文学の宇野直人氏、版画家の佐野洋司氏、指揮者・評論家の野口剛夫氏、2012年、ワルター作品を演奏するヴァイオリニストの佐藤久成氏など、ワルターの人と音楽をこよなく愛する人々から寄せられた「ワルター讃・ワルター論」が満載されています。また作曲家の佐藤眞氏と宇野編集長との洒脱で含蓄に富んだ対談も読みものです。
加えて、宇野編集長書き下ろしの「ワルターCD評」、“盤鬼”平林直哉氏の「お勧め名盤」、旦野克幸氏編纂の「ワルター・ディスコグラフィ」など、ワルター・ファンにも、これからワルターに親しもうという入門者にも好適な、充実の「ワルター本」になっています。
●まえがき 僕にとってのブルーノ・ワルター 宇野功芳
●巨匠・ワルターと青年・宇野功芳 手紙(初公開)による交流を辿る
●ワルターと宇野功芳――手紙の交流
――ライディング&ペチェフスキー著『ブルーノ・ワルター伝』をめぐって 高橋宣也
●エッセイ ブルーノ・ワルター、此岸の音楽 佐野洋司
■ニューヨークで聴いたブルーノ・ワルター――レコードでは聴けない亡命音楽家の孤独皆川達夫
●エッセイ 「天使のラルゲット」――人類愛に満ちたワルターの魂の演奏 保延裕史
■ブラームスとワルターと――「創業一八九四年 ワルター謹製」の交響曲 宇神幸男
■ワルターとクレンペラー――《ドイツ・レクイエム》をめぐって 川島由夫 57
●エッセイ 究極の旅――私が音楽に出会う時、いつもワルターがいた。 宮城谷昌光
◆対談
作曲家・佐藤 眞 音楽とワルターについて、大いに語る! ●聞き手 宇野功芳
●エッセイ 共感の奏楽――音楽と融和にしてゆくワルターの演奏 宇野直人
■オペラ指揮者としてのブルーノ・ワルター――1942年メットの《ドン・ジョヴァンニ》を聴いて ??崎保男
●エッセイ 慈愛が全て、そして神は微笑んだ 渡邉政?コ
■作曲家ワルターの《ヴァイオリン・ソナタ》について――演奏に通じる“格調高いロマンティシズム” 佐藤久成
●エッセイ ワルターの初期録音が示すもの――音楽大量消費時代に生きた指揮者の象徴 山崎浩太郎
■ワルターへの思い、音楽への思い――危機のあるところにこそ救いが現われる 野口剛夫
●エッセイ ブルーノ・ワルターのレコードへの追慕 東条碩夫
◆ブルーノ・ワルター オン・ディスク Bruno Walter on Discs
■宇野功芳書き下ろし ワルターCD評 1996~2011
■“盤鬼”平林直哉の「ワルターの名演はこれで聴け!」
■ブルーノ・ワルター・ディスコグラフィ 旦野克幸・編
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