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出版社内容情報
バルトークの傑作のミニチュア版スコア。バルトーク研究の第一人者による解説では、各楽章の独自の捉え方が展開される。
20世紀の同時代音楽に多大な功績(資金提供/作品委嘱/初演)をなしたパウル・ザッハーのプロデュースになる秀曲のひとつ。ザッハーが主宰するバーゼル室内管弦楽団の創立10周年記念演奏会のために委嘱され、新作初演された(1937年1月21日)。約半年という短い作曲期間に対応するため、すでに書き始められていた弦楽合奏の草稿に、第2楽章から打楽器や鍵盤楽器が加えられた、と考えられている。リハーサルに立ち会ったバルトークは妻に宛てて「指揮者もオーケストラも、僕との練習に大変な情熱と献身を示してくれていて、皆この作品に熱狂している(僕も!)」と書き送った。解説者によれば、音楽様式史的に見ると、バロック的な発想による第1楽章、ウィーン古典派をモデルとする第2楽章、作曲家自家薬籠中の「ブリッジ形式」、そして無時間的・民俗的ロンドの第4楽章、と見ることができるいっぽう、音楽語法の観点からは、シェーンベルク楽派の第1楽章、新古典主義の第2楽章、印象主義の第3楽章、民俗主義の第4楽章と捉えることもできる、という。初演は大成功を収め、第4楽章がアンコールとして繰り返された、と伝えられている。
解説=伊東信宏
第1楽章 アンダンテ・トランクィッロ
第2楽章 アレグロ
第3楽章 アダージョ
第4楽章 アレグロ・モルト
【著者紹介】
1960年生まれ。大阪大学文学部、同大学院で学んだ後、リスト音楽院客員研究員、大阪教育大学教育学部助教授等を経て、大阪大学文学研究科教授。文学博士(大阪大学)。専門は東欧の音楽史、民族音楽学。著書に『バルトーク―民謡を「発見」した辺境の作曲家』(中公新書、1997年)、『中東欧音楽の回路―ロマ・クレズマー・20世紀の前衛』(岩波書店、2009年)等。また編著書に『ピアノはいつピアノになったか?』(大阪大学出版会、2007年)等がある。(以上、大阪大学文学部ホームページより)